己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

Prev  «  [ 2017/08 ]   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  » Next
プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
●Ship4
 スセリ、ユーイ
 ミコト、オトタチバナ
●Ship3
 レーナ

FF14
●Gungnir
 Huey Chandubois
●Garuda
 Hugh Woodfield

うちの子描いて
Twitter
mixi
外国人参政権反対!

連載小説 一覧

カテゴリー
PR

Flowers夏篇

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

【連載小説】墜落天使レーナ(第27回)

前回分を読む最初から読む

 教室の戸口に羽卯を見つけた時の芽生の表情の変化は大袈裟とも思えるほどだった。まるで信じられないものを見たような驚愕の表情から、ゆっくりと満面の笑みへと形を変えたのだ。こんなに嬉しそうな芽生の顔を、羽卯は一度だって見たことがなかった。
「すみませんね。どうぞ授業を続けてください」
 羽卯をここまで連れてきた先生は、若いクラス担任にそう言って羽卯を教室内に押し込むとそのままドアを静かに閉めて立ち去っていった。
 授業参観に訪れた保護者だけでなく、一部の生徒からも好奇の目がちらちらと向けられる。羽卯が何かと人目を引く容姿の持ち主であるのに加えて、もうすぐやっと成人という大学生なのだ。小学生の子供がいる歳にはとうてい見えまい。
 嵌められたことに気がついた羽卯は、突き刺さる視線にいたたまれなくなって今にも教室を飛び出したい気持ちでいっぱいになった。
 だが、ちらりと窓際の芽生を見やると、窓越しに見た寂しげな表情が嘘のように活き活きとして、担任の振る質問にも積極的に手を挙げて答えようとしている。それが自分がここに来たためだとすれば、どうしてその気持ちを裏切ることができるだろうか。
『芽生ちゃんは姉さまのことが好きなのです』
 不意に昨日のレーナの言葉が頭をよぎった。
 そんなはずはないと思っていた。今まで芽生のことを冷たく突き放してきた自分が芽生に好かれる理由などないはずなのだ。
 しかし、今の芽生の活き活きとした姿を前にすれば、レーナが得意げに「私の言った通りなのです」と胸を張って言ったとしても反論できる自信はない。
 では、レーナの言葉の後半部分はどうなのだろう? 羽卯も本当は芽生のことが好きなのか?
 レーナは今の状況を示して自信たっぷりに自分の正しさを主張することだろう。芽生が怪我をしたと聞いて羽卯はいてもたってもいられなかった。今まで芽生がどうなろうと気にしないつもりだったのだが、実際にそういう場に立たされた時の反応は正直なものだった。
「すっかりしてやられたわ……」
 言葉の割に悔しさの薄い表情で独り言を呟いていると、芽生が担任に指名されて黒板の問題にすらすらと正答した。
 初めて見る芽生の快活な姿に慣れてきた頃に授業終了を告げるチャイムが鳴り、急に襲ってきた照れから逃げるように羽卯は教室を後にした。

次へ

こちらのランキングに参加しています。面白いと思ったら投票お願いします。
NNRランキング

ネットの殺害予告、三重県警が「誤認逮捕」と発表
携帯をなくすと、場合によっては逮捕されることもあり得るという話。怖い時代です。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

C

omment


T

rackback

この記事のトラックバックURL

http://woodfield.blog21.fc2.com/tb.php/605-0842157e


あぷろーず!

拍手ボタンです
ショートショートありマス
ブログ検索
カレンダー(月別)
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
リンク
ブログ・日記中心のリンク集
PR


キャラアニ.com

株取引

最近のコメント
最近のトラックバック