己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
●Ship4
 スセリ、ユーイ
 ミコト、オトタチバナ
●Ship3
 レーナ

FF14
●Gungnir
 Huey Chandubois
●Garuda
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【連載小説】墜落天使レーナ(第22回)

前回分を読む最初から読む

「聞いてください。姉さま」
「嫌よ」
 抑揚のない声で短く拒絶の言葉を告げ、戸棚のアールグレイの缶に手を伸ばす。
「いいえ、聞いてください。芽生ちゃんは姉さまのことが好きなのです。姉さまだって、本当は芽生ちゃんのことが好きなのではないですか?」
 羽卯は虚を突かれて手元が狂った。掴み損ねた茶葉の缶が高い音を立てて床に転がる。幸いにも缶の蓋は固く閉められていたため、中の茶葉が辺りに散らばることはなかった。
「……どうして、そう思うの?」
 羽卯は床に落ちた缶をじっと見つめながら低い声で尋ねた。
「私は地上の物を口にするのは初めてでしたけど、姉さまの淹れてくれたお茶はとてもおいしかったのです。温かくて優しい味でした。嫌いな相手にあんなお茶を淹れられるものではありません」
「そんなの理由にならないわ」
「そうでしょうか。私はそうは思わないのです。それに……」
 レーナは悪戯っぽく笑って続けた。
「今の姉さまの動揺を見ていれば明らかなのです」
「……っ!」
「芽生ちゃんのことを話す姉さまは苦しそうでした。本当は芽生ちゃんのことを憎んでなんかいないのではないですか? 無理に憎み続けようとしているのではありませんか? 芽生ちゃんを妹として認めてあげたいのではありませんか? 私にはそう見えるのです」
「勝手に決めつけないで!」
 反論しようとした羽卯の声は、ほとんど悲鳴のようになってしまっていた。
違う、そうじゃない。自分は芽生が許せないのだ。芽生は自分から母を奪った二人の忌まわしい関係を象徴する存在なのだから。
 言い返したいのに言葉が出てこなかった。
「……出ていって」
 羽卯はキッチンの床に崩れ落ちるように座り込みながら声を絞り出した。
「出てけ!」
 リビングの入り口に立ったまま動こうとしないレーナめがけて紅茶の缶を投げつける。缶は避けるまでもなくレーナを外れ、背後にあるリビングのドアの木枠に当たって床に落ちた。今度こそ中の茶葉が辺りにばらまかれる。
 しばらく羽卯を悲しそうな目で見ていたレーナは、やがてゆっくりと廊下を出ていった。玄関のドアが開き、再び閉じる音が聞こえる。
 呆然と床に座り込んだ羽卯の目には、床に散らばるアールグレイの茶葉が、ただ、映っているだけだった。

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