己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」第9章(その23)

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 真っ向からそのようなことを言われ、旅人は呆気に取られたように志麻を見つめ、それから照れて顔を背けてしまった。
「梓紗は旅人のことをとても嬉しそうに話してた。そういう時の梓紗は幸せそうに輝いていて、女のあたしから見ても可愛かったなあ」
 懐かしむように夜空を見上げながら呟いた後、志麻は不意に真面目な顔に戻って続けた。
「だからさ、自分に流れる鬼の血のことを知っていたら、すごく悩んでたと思うんだよね。君の家もやっぱり宮前家と同じ守人。鬼の中にあって鬼の血を避けてきた一族だ。同じ守人の家系としてなら、君の相手として申し分ないけど、鬼の血が混じっているとなると話は変わってくる。ま、実際のところどうかわかんないよ。何も知らされてなかったのかもしれないしね。ただ……」
 今になって考えれば、知っていた可能性は高いと志麻は思う。幽鬼に対する耐性は精神状態に大きく左右される。怒りや不安などで不安定な状態になっていると憑かれやすくなるのだ。そのくらいのことは旅人とて知っているだろう。
「バカだな」
 ぽつんと旅人が呟く。
「え?」
「一人で悩む必要なんてなかったんだ。箱崎家と梓紗のどちらかなど、秤にかけるまでもない。俺は喜んで梓紗一人の守人になっていたさ。」
 臆面もなく言ってのけた旅人に、志麻がうんうんと頷く。
「やっぱりそうだよね。躊躇する必要なんてないよね」
 旅人がじろりと志麻に視線を向けた。
「どういう意味だ?」
「あたしじゃないよ」
 志麻は旅人の視線を受け流すように眠り続ける和水を見下ろした。つられて目を動かした旅人も、「ああ」と頷いた。
「家を捨てる覚悟があるなら、好きにすればいいさ」
「いいの?」
 何が、とは敢えて口に出して聞かなかったが、旅人はそれを正しく理解したようだ。
「梓紗の仇はもういない。ここにいるのは、航太郎の命の恩人だけだ」
 そう言って、旅人は航太郎たちの傍らの砂浜に腰を下ろして、大の字になって寝転がった。
「恥ずかしい話だが、俺も何かに憑かれていたのかもしれないな。こんなに星がきれいだと思ったのはずいぶん久し振りだ」
 志麻も一人立ったまま星空を見上げた。一筋の流れ星が、水平線に向かってこぼれ落ちていった。

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