己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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●Ship3
 レーナ

FF14
●Gungnir
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●Garuda
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【連載小説】「鬼さん此方」第9章(その21)

前回分はこちら

「……旅人!」
 一定のリズムで鈴を鳴らしていた志麻が思わず叫び声を上げた。その声に航太郎がギロリと振り返る。航太郎はユラユラとよろめきながら志麻に近づいていく。
 お祓いが完全ではなかったのか。志麻の瞳が悔しさに揺れた。
 それでも逃げるわけにはいかない。今この場を離れれば儀式は途切れる。まったく効いていないわけではないのだ。あと少し、航太郎の中に憑いた幽鬼に揺さぶりをかけることができれば。志麻は最後の望みを捨てずに鈴を鳴らし続けた。
 志麻の必死の思いも空しく、航太郎が目の前までやって来た。ゆっくりと拳を振り上げる。
 気丈な志麻も足が竦んで動けなくなる。己の力不足を航太郎や和水に詫びながら、志麻はギュッと目をつぶった。
「……」
 航太郎の一撃はいつまで経っても落ちてこない。
「……?」
不審に思って恐る恐る目を開けると、航太郎の正面に、藤色の羽織が重なるように張りついていた。いつの間にか割り込んだ和水が航太郎を抱きしめているのだ。
 狂気に彩られていた航太郎の瞳に、困惑の色が浮かんだ。
「……う……ぐ……」
 振りほどくのは造作もないことだろう。身を守ることすら忘れた無防備な少女に渾身の一撃を与えることだって容易い。それでも航太郎は振り上げた腕を空中に静止させたまま固まったように動かなかった。
「航太郎さん、航太郎さん」
 切々と呼びかける和水の声にぴくりと反応し、やがて航太郎の目に少しずつ理性の光が戻ってくる。
「……なご……み……さん?」
 航太郎の唇がかすかに震え、途切れながらも確かにその名前を呼んだ。
 はっと息を飲んで見上げる和水に、航太郎はぎこちない表情で、それでも確かに微笑みかけた。和水の瞳から涙がとめどなく溢れ出す。
 航太郎の体から白い霧のようなものが立ち上り、虚空へと四散していった。
「あれ……?」
 途端に航太郎の全身から力が抜け、崩れ落ちるように砂浜に倒れ込む。和水もそれに引きずられるように倒れた。

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欧州中央銀行(ECB)の理事にゲルトルーデ・トゥンペル=グゲレルという方がいます。この方の名前を「トゥンペル=グゲルル」と表記したニュースを見かけて、それ以来、彼女の名前を聞く度にジ○ン公国のモビルスーツばかりが頭に浮かびます。
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