己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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【連載小説】「鬼さん此方」第8章(その14)

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「わ、私には別にお嬢様から頂いてるわ」
 つんけんとした態度で言い放つ。敬愛する和水から手作りのお弁当をもらったにしては今ひとつ嬉しそうに見えないのが気になる。
「用事はそれだけ。お嬢様をお待たせするのも悪いから早く戻りなさい」
 涼子は一方的に話を打ち切り、回れ右して廊下の奥へと遠ざかっていった。
「……何だったんだろう?」
 航太郎は小さく肩をすくめ、念のため締めておいたドアに手をかけて引いた。
「航太郎君、おそーい! 何やってたのよ?」
 よく通る澄んだ声が教室の反対側から航太郎の耳を震わせた。先を伴奏担当にしておくのは合唱部にとって損失なのではないかと思える声量だ。
 見れば、いつの間にか航太郎の席を中心としてまとめられ、ちょっとした食卓が完成している。その中心に据えてあるのが、和水の少し大きめの弁当箱だった。
 航太郎が席に着いた頃に、橋本が息せき切って教室へ駆け戻ってきた。どうやら和水の弁当のことを聞いてパンだけ買ってきたらしい。
「お待たせっ!」
「ああ、そう言えば橋本君もいたわね。適当にその辺座って」
「ひでえ!」
 素っ気なく叩き落とされ、机に手をついて落ち込んでいる橋本に、咲季は苦笑いしながら「冗談よ」と言った。
「そんじゃ、和水ちゃんの作った自信作を頂くとしましょうか」
 全員が揃ったところで、ニコニコ顔の咲季が音頭を取った。
「正直に申し上げますと自信はないのですが……」
 何となく申し訳なさそうな和水は、ご飯だけが別に詰められた箱を目の前に置いている。
「何言ってんのよ。料理は愛情。気持ちが一番の調味料なのよ」
 こういうセリフを大声で恥ずかしげもなくさらっと言ってしまえるのが咲季のすごいところだと思う、のだが。
「ねえ、航太郎君」
 ニヤニヤしながらこっちに振らないで欲しいと思う航太郎だった。
「ま、そんなことは置いといて。頂きまーす」
 咲季が高らかに宣言し、全員がそれに追随した。そして、自分たちの持参した弁当をひとまずは視線の外に置いて、中央にある和水の弁当箱から思い思いのおかずをつまみ、口に運んだ。
 次の瞬間、友人たちの様子を緊張の面持ちで見つめていた和水以外の全員が固まった。

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