己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
●Ship4
 スセリ、ユーイ
 ミコト、オトタチバナ
●Ship3
 レーナ

FF14
●Gungnir
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【連載小説】「鬼さん此方」第8章(その9)

前回分はこちら

 旅人の言葉が航太郎の耳から周囲の音を奪っていった。
 反射的に飛び込んだ衝撃的な単語だけが脳内を駆け巡り、理解が追いつかない。
「な、何を言ってるんだよ?」
 頭の中で落ち着けと自分に言い聞かせる。
 旅人は「殺した」と言った。誰が誰を? 和水が、梓紗を、だ。それは航太郎には信じがたい話だった。
 しかし、旅人が冗談でそんなことを言うとも思えない。真偽を見極めようにもサングラスで隠された目からは何も読み取ることができない。
 じっと見つめる航太郎に思うところがあったのか、旅人はかけていたサングラスを外して航太郎をまっすぐ見据えた。その真剣な表情はとても芝居には見えなかった。
「でも、そんなこと……」
 ないと言いかけた航太郎だったが、和水が梓紗の死に責任を感じているのは確かだった。その場面に和水と志麻が居合わせた可能性は高いし、どうやって知ったのかは知らないが、そのことを指して旅人が先の言葉を口にしたのであれば、わからない話ではない。旅人が和水たち鬼斬りを誤解したままなら尚更だ。
 しかし、それは酷なことだ。
 目の前で友人が霊に取り憑かれ、正気を失っていくのを目の当たりにしたのだ。場合によってはその暴走を止めようと刃を向ける必要さえあったかもしれない。それでも救うことができず、目の前で大事な友人を失った和水の絶望感はどれほどのものだったろうか。
 その和水を責めることなど航太郎にはできないし、旅人がそうするのを放っておくこともできない。守られてばかりで何も返せないなど、航太郎の性分ではないのだ。
「アニキの目には和水さんが梓紗姉ちゃんを殺したように見えるのかもしれないけどさ、違うんだよ。僕も最近まで知らなかったけど、鬼斬りって人たちは……」
「鬼斬りの何たるかは俺も理解している。俺も同じだからな」
 航太郎の弁護を遮って発せられた旅人の言葉は、航太郎を再び凍りつかせるに十分だった。
「お前や恭介たちはまだ知らないかもしれないが、俺には鬼の血は流れていない。箱崎家が周辺の家とまったく親戚関係を持っていないことに気づいていたか?」
 鬼は自分たちの血に誇りを持っている。決して外部の人間との婚姻が忌避されるわけではないが、たいていの場合は鬼同士で結婚することが多い。だから、航太郎が生まれ育った村では、何代か遡ればほとんどの家同士が婚姻関係で結ばれていた。例えば、航太郎の祖母の実家は祇園家だった。

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10年ぶりくらいに三善晃の「響紋」を聴きましたが、やっぱりこの曲は怖いです。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

C

omment

はじめまして^^
訪問リストから来ました。遊びに来て頂いて、ありがとうございます。
小説ちょっと読ませてもらいましたよ♪
リズムがあって読みやすい文でした☆
簡単なコメントですみません。いや、でもリズムは大切なので、そこをクリアしていない筆者さんだと読みにくくて…。なので私は大変いいと思います。
私も書いているのですが、まだまだ勉強中です。
皆さん、筆力があるので、他の方の文を読むたびに落ち込んでいる次第です(-_-;)
なので、今も見事に落ち込みました~。
お邪魔しました~♪

ウダム URL | 2008/02/28 14:06 [ 編集 ]

ありがとうございます
ご訪問どうもありがとうございます。
ウダム様のブログを拝見しましたが、「貴腐人」という単語は始めてみました。貴腐ワインみたいで何だか良い響きです(何が?)
文章のリズムは、割と気を遣っているつもりでしたので、お褒めいただけて嬉しく思います。私も他の方の作品を読む度に落ち込む日々ですが、お互いにがんばっていきましょう。

林原悠 URL | 2008/03/03 00:41 [ 編集 ]


T

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