己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」第8章(その5)

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「歩いているほうが落ち着きます。周りの景色もよく見えますし」
 そう言っておっとりと微笑む和水の声は、さっきまでの迷いとは裏腹に嬉しそうだった。それが航太郎と並んで歩いているからだとすれば、航太郎としても意地を張ってみせた甲斐があったというものだ。
 そろそろ夕闇が下りてくるという時間帯だった。こういうのを逢魔が時というのだろう。もしかしたら航太郎たちにとっては幽霊に襲われやすい時間なのかとも思ったが、和水がさほど警戒している様子もないから大丈夫なのだろうと判断しておく。
 それから二人は取留めのない話をしながら歩き続けた。
 しばらくして、車一台分通れるくらいの道に入ったところで、脇に古めかしい木塀が現れた。ちょうど歴史の教科書の図版で見たことのある武家屋敷のような……と考えたところで航太郎はもしやと和水を仰ぎ見た。
 和水はそれだけで航太郎の意図を理解したらしく、ふわりと微笑んで言った。
「お察しの通り、こちらが拙宅でございます」
 隣家の手前まで続く木塀のほぼ真ん中に屋根のついた門がある。決して豪華なものではないが、歴史を感じさせる堂々としたものだ。
 武家屋敷と聞いて、例えば大名屋敷のような広大な邸宅を想像するなら藤崎家はその範疇には入らない。どちらかと言えば朴訥な、古い民家といった佇まいがある。
「航太郎さん、送っていただいたお礼にお茶でもいかがでしょうか?」
 門を背にして和水が言った。
 魅力的な提案だった。
 しかし、今までに得られた情報から察するに、この家にはあの室見涼子がいるはずだ。以前のように刺々しくはなくなったとは言っても、相変わらず航太郎と和水が近づきすぎることにはよい感情を持っていない様子だ。ここで航太郎が家にまで押しかけたらどんな反応が返ってくるか。
 加えて、場合によっては和水の父親も在宅しているかもしれない。どんな人物かわからないが、和水の洗練された振る舞いを考えるとかなり厳しい父親ではなかろうか。
 強敵だ、航太郎の背筋が緊張していく。それなりの覚悟を持って出直してきたほうがいいのではないか。
「気持ちは嬉しいんだけど、もうすぐ日も暮れるし、今日のところは遠慮しておくよ」
 航太郎の返答に、和水は少し残念そうな表情を浮かべた。

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