己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」第8章(その4)

前回分はこちら

 坂を下りきった交差点で立ち止まり、航太郎はようやく和水のほうに顔を向けた。
「えっと、和水さんの家はどっち?」
 和水は右手、つまり西に延びる道を指さした。
「こちらでございます。ですが……」
 和水はそう言い淀んで、坂からそのまま直進する道、つまり航太郎のマンションのある方角をちらちらと見ている。おそらく、志麻から航太郎のことを「頼まれた」以上、家まで送るつもりだと言いたいのだろう。
 わかっている。咲季はああ言っていたものの、実際に守ってもらう立場なのは悲しいことだが航太郎のほうだ。
 それは重々承知しているけれども、女の子に家まで送ってもらって、その女の子を一人で帰すというのはやっぱり情けないと思うのだ。
「あのさ、よかったら家まで送るけど?」
 航太郎がこう提案したのは意地のようなものが働いたからだった。相手がもしも志麻であれば、「君、自分の立場わかってるの?」などと一笑に付されたことだろう。しかし、和水は困惑気味に航太郎の顔を見つめている。
「迷惑……かな?」
「いえ、お申し出は大変嬉しいのですが……」
 和水はそう言葉を濁して迷うように視線を彷徨わせた。生真面目な和水が鬼斬りとしての義務感と天秤にかけているのはどんな感情だろうか。
 返答を待つ間、航太郎も緊張の面持ちで和水の表情を見守っていた。尚、二人ともこの交差点で別れるという選択肢は持っていないようだった。
「……承知いたしました。ではお願いいたしましょう」
 ややあって、和水が柔らかく微笑んで言った。それを聞いて航太郎がほっと息をつく。
「じゃあ、行こうか。道案内よろしくね」
「ええ」
 短いやり取りの後、二人は西向きの道を歩き始めた。
「和水さんの家ってここから近いの?」
「ここからですと、歩いて十分ほどでしょうか」
「結構あるんだね。それでも自転車通学の範囲じゃないんだ?」
 ちなみに航太郎のマンションはさっきの交差点から二分も歩けば着く。
「ええ、あいにくと。いつもの道ですと学校まで二十分ほどで着きますので」
 それでも航太郎の通学時間の倍かかっていることになる。男子の中でも身長の高い航太郎とでは歩く速さに違いがあるとは言え、この差は結構なものだ。
 しかし、当の和水には徒歩通学の時間を苦にしている様子はない。

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