己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

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趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」第7章(その18)

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 実際、航太郎は和水の姿格好や何でもない言動に怯えていたのだ。その一つ一つが和水の心の中で棘になっていくことにも気がつかずに。
 おそらく、今までにもこういうことはあったのだろう。鬼斬りという存在の本当の意味を知らず、一方的に恐れて忌み嫌っている鬼は少なくないはずだから。
「鬼斬りなんて昔話でしか聞いたことがなかったから、変な思いこみで勝手に怖がっていた。そのせいで和水さんを傷つけてしまった。本当にごめん」
 航太郎はすっと立ち上がると和水に向かって頭を下げた。ホールにいた少数の生徒が何事かとこちらを見る気配があったが、そんなことは気にならなかった。
「そんな……お顔を上げてください」
 下を向いている航太郎には和水の表情は見えなかったが、その声音は困惑気味だった。
「私こそ、きちんとお話しすべきだったのです。そうでなければ、あなたに近づくべきではなかった。同じクラスの、隣の席になったのは不可抗力だとしても、話しかけたりなどしないで距離を置いて見守るべきだったのです」
 航太郎は顔を上げて和水の顔を見つめた。かすかに朱の差した頬は、しかしどこか寂しげだった。
「でも、私はそのどちらも選ぶことができませんでした。本当のことを話したらあなたは私を避けるのではないか、その不安を乗り越えることができなかった。手を伸ばせば届く場所にあなたがいるのに、素知らぬふりをすることもできなかった」
 和水は喉元に何かが引っかかったように一瞬言い淀んだが、すぐに続けた。
「一度は決めたはずなのです。二度とこのような思いはしたくないと」
「宮前梓紗さんのことがあったから、だよね」
 航太郎はそっと口を挟んだ。和水は軽く目を見開いたが、小さく息をついた。
「志麻さんからお聞きになったのですか?」
 宮前梓紗のことを聞いたかと言われれば。
「ん、ああ、そう言えば詳しい話を聞くの忘れたっけ。でも、そうだね、その梓紗さんのことで和水さんが辛い思いをしたってことだけは聞いたよ」
「左様でございますか」
 和水はそのことに対して怒っているようでも動揺しているようでもなかった。
「赤坂先輩が言ってたけど、梓紗さんって人、僕に雰囲気が似てたって?」
「え、志麻さんがそんなことを仰ったのですか?」
 今度は驚きを隠そうともせずに航太郎に尋ね返した。

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体調崩して金曜の夜から寝込んでました。更新が滞って申し訳ないです。

> 鬼さん此方読ませて頂きました。KIDの某ゲームの影響で何故か和泉の脳内CVが自動的に能登ヴォイスに。(2/1)
奇遇ですね。私も能登さんのイメージでセリフ書いてました。KIDの某ゲームとやらは寡聞にして存じませんが。

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