己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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【連載小説】「鬼さん此方」第6章(その15)

前回分はこちら

 薙刀を上段に振りかぶりながら和水が鋭く叫んだ。
「左によけて!」
 普段の和水からは想像もできない一喝に、凍りついていた航太郎の時が再び動き出した。和水の指示に正確に反応できたのは僥倖だったが、咄嗟のことで足がもつれてしまった。それに気づいた和水が慌てて制動をかけるが、トップスピードに乗った身体にかかる慣性がそれを妨げる。
 このままでは斬られる、そう思った刹那、右肩に電気が流れるような感覚が走り、航太郎を弾き飛ばした。派手に尻餅をついて倒れ込んだ航太郎の目の前で、ついさっきまで立っていたその場所に白刃が鋭い風切り音と共に振り下ろされた。
 腰ほどの高さで薙刀を止めた和水は、間髪入れずに刃を返し、航太郎が倒れているのと反対側へ全身を回転させながら横一文字に振り抜いた。
 空を切ったはずの刃が何かに引っかかったようにほんの一瞬だけ制止し、そこから引くように払われた刃の軌跡は、実際に獲物を斬ればそうなるのではないかと思わせるようなものだった。
 和水は振り切った薙刀を再び構えると、たった今斬りつけた見えざる何かから航太郎を守るように、背を向けて立ちはだかった。航太郎は身じろぎ一つできずにその様を注視していた。
 沈黙が破られるまで長くはかからなかったが、そのきっかけは二人のどちらでもなかった。
「和水、やったの!?」
 さっき航太郎が出てきた渡り廊下の向こうに姿を現したのは、白衣(びゃくえ)に緋袴という、いわゆる巫女装束に身を包んだ赤坂志麻だった。その姿を見て、ああ、どうやらこの人は本当に神社の娘らしいや、などと考えている航太郎の頭は目の前の現実に追いついていなかった。
「……って、航太郎! こんな所で何やってんのさ!?」
 それはこっちの台詞だ、口を動かす余裕さえあれば航太郎はそう言い返してやりたかった。
 と、和水は両手で構えていた薙刀から左手を離し、ゆっくりと刃を下ろした。それまでの臨戦態勢と言うのか、張り詰めていた空気がすっと緩み、航太郎も無意識にほっと息をついた。
「鎮まりました」
 航太郎に背を向けたまま、いつもの儚げな声で紡がれたその言葉は、おそらく志麻の問いかけに答えたものなのだろう。
「航太郎さん」
 こちらを振り向かずに呼びかける声は震えていた。理由はよくわからないがどうやら怒っているらしい。振り返りざまに斬り捨てられるとは思わないが、思わず身を堅くする。

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