己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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【連載小説】「鬼さん此方」第5章(その12)

前回分はこちら

 翌日、天神航太郎はいつも通りの時間に登校し、昇降口から校舎に上がった。この学校は、校舎内では基本的に土足で、靴を脱ぐのは音楽室や家庭科室など一部の特別教室に限られる。転校当初は少し戸惑ったが、慣れてしまえばこちらのほうが楽だった。教室や廊下で転びでもすれば目も当てられないことになるし、掃除が多少面倒ではある。しかし、そんなのは高校生にもなって不満に思うほどの短所ではない。
 昇降口を抜けるとすぐ脇に階段がある。ゆっくりとその階段に差しかかったところで背後に敵意に満ちた視線を感じた。
「天神航太郎」
 ごくごく最近、例えば昨日辺りに聞いたような声にフルネームで呼び捨てにされ、やっぱりかと溜息をつきながら振り返った。
 予感的中。そこには見覚えたばかりのおかっぱ頭の少女がじろりと航太郎を睨んでいた。
「や、やあ、室見さん、おはよう」
 和水との約束も頭にあったので、航太郎は引きつりそうな口の端を何とか押さえつつなるべく好意的に朝の挨拶を試みた。
 そんな様子を見て、あからさまに顔をしかめた涼子だったが、渋々といった感じで、
「……おはようございます」
 そう挨拶を返してきた。
「和水さんとは一緒じゃないの?」
 下手な愛想笑いを浮かべながら尋ねると、涼子はむすっと顔を曇らせて言い放った。
「あなたには関係ないわ」
 好意の欠片も感じられない口ぶりはいっそ清々しい。
 思い返せば、和水と涼子が一緒にいるのを見たことがない。昨日の和水の話を言葉通りに解釈すると涼子は和水の家に住んでいるはずなのだが、一緒に登校したりはしないのだろうか。
「で、今度はお嬢様に何を吹き込んだのかしら?」
 航太郎のささやかな疑問に答えをくれるつもりはまったくないらしい。航太郎に対してだけかもしれないが、とことんマイペースだ。
「何のこと?」
「惚けないで。今まで料理などしたことのなかったお嬢様が料理の特訓を始めるなどと仰ったわ。おおかた、あなたが何か余計なことを言ったのでしょう?」
 余計なこととは失礼な。だいたい、今まで料理をしなかったのではなくて、できなかっただけだから。おもに君のせいで。
 航太郎はそう言ってやりたい衝動に駆られたが、和水のためと思い直して堪えた。その辺り、妙に律儀なところがあるのだ。

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林原の場合、上履きを使う学校は小学校だけだったので、何となく高校を舞台にする時は土足にしてしまいます。
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