己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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【連載小説】「鬼さん此方」第5章(その1)

前回分はこちら

「ミヤマエ……何だって?」
 航太郎が間の抜けた声で聞き返すと、和水はゆっくりとその名前を繰り返した。
『宮前梓紗(みやまえあずさ)、でございます。ご存じではありませんか?』
 声の裏に安堵とも落胆とも取れない抑揚があった。聞き返すくらいだから知っているはずがないと思ったのだろう。航太郎がその人物を知らないとして、和水にとっては吉報なのか凶報なのか。
「宮前……梓紗」
 丁寧に漢字まで教えてくれたその名前を声に出して復唱した。聞いたような名前だったし、その名を発音する表情筋の動きには覚えがあるような気もする。しかし、航太郎たちの村の近辺に宮前という家名はなかったはずだ。
「宮前梓紗……」
 もう一度繰り返してみる。しかし、記憶の底からは何かが浮かび上がってくる様子はなかった。
「ごめん、やっぱり思い出せないや」
『……左様ですか。いえ、お心当たりがなければよいのです。遅くに失礼いたしました。おやすみなさいませ』
 和水の声はいつもより少し明るいくらいだったが、それが逆に作っているような印象を抱かせた。航太郎を不安がらせたくないのだろう。だから、航太郎は執拗に追及するのは避けて明るく声をかけた。
「また明日ね」
『ええ、また明日』
 その返事の余韻が航太郎の耳にはやけに重く響き、このまま和水がどこかへ消えてしまうのではないかと思った。

 翌朝、教室の入り口で立ち止まり、自分の席に視線を向けると、普段通り和水が隣の席に座って本を読んでいた。
 航太郎はその姿を見て安堵の息をつき、ゆっくりと自分の席へ向かった。
「おはよう、和水さん」
「おはようございます、航太郎さん」
 和水の様子はいつも通りのようだった。
昨日の電話の別れ際に感じた不安は取り越し苦労だったのか、航太郎はもう一度そっと息をついて、席に着いた。
 鞄から教科書とノートを取り出し、机の中に押し込む。
「あれ……?」
 空だったはずの机の中で何か異質なものが手に当たり、思わず声が漏れた。

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