己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」 第4章(その14)

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 その日の夜、自室に戻った航太郎はベッドに腰掛けて携帯電話を開いた。何度かボタンを操作して電話帳を呼び出す。画面に「祇園恭介(ぎおんきょうすけ)」の名前とその携帯番号が表示された。航太郎の幼馴染みの一人、双子の祇園姉弟の弟である。航太郎とは同い年ということもあって、一番の親友と言える存在だった。
 航太郎はその名前を見て一呼吸置き、「発信」のボタンを押した。プップッという音が数回、それからコール音に変わる。ワンコール、ツーコール……。携帯を置きっぱなしで部屋を空けているのだろうか。規則正しい祇園家の夕食には遅すぎる。考えられるのは居間でテレビでも観ているか、風呂か……などと考えていると、電話の繋がる音がした。
『もしもし、航太郎か?』
 引っ越しの日以来初めて聞く恭介の声だった。
「ああ、そうだよ。久し振りだな」
『まったくだよ。無事にそっちに着いたんなら連絡くらいくれればいいのに。今の今まで電話の一本もくれないなんてさ。舞衣(まい)が心配してたんだぜ』
 相変わらずの屈託のない口調だった。舞衣は恭介の姉なのだが、双子という気安さからか、恭介は「姉さん」だの「姉貴」だのとは呼ばず、原則として名前で呼ぶ。何か頼み事がある時に「お姉様」などと取って付けたような尊称を使う程度だ。
「あー、そう言えば連絡してなかったっけ? ごめん、ちょっとバタバタしててさ」
 引っ越し当日には薙刀装備の和水に遭遇したこともあって、そういうことまで頭が回らなかったことを思い出した。
『まあ、こんな特殊な村じゃ引っ越しなんてめったにないからな。小父さんも小母さんも慣れなくて大変だったのはわかるけどさ。あ、舞衣呼んでこようか?』
 電話の向こうで恭介が動き出す気配を感じた。
「あ、いや、ちょっと待って。その前に話しておきたいことがあってさ」
『何だよ?』
 怪訝そうな声が返ってきた。
「今日、街でアニキに会ったんだ」
 恭介が理解しやすいように言葉のペースを落としてはっきりと言い聞かせた。
『……何だって?』
 それでも恭介には航太郎の言葉を理解するだけの準備ができていなかったようだ。
「だから、アニキ。箱崎旅人に会ったんだよ」
『……』
 電話の向こうの恭介が黙り込み、しばらくして、
『マジか?』
 と短く尋ね返してきた。

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