己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

Prev  «  [ 2017/09 ]   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  » Next
プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
●Ship4
 スセリ、ユーイ
 ミコト、オトタチバナ
●Ship3
 レーナ

FF14
●Gungnir
 Huey Chandubois
●Garuda
 Hugh Woodfield

うちの子描いて
Twitter
mixi
外国人参政権反対!

連載小説 一覧

カテゴリー
PR

Flowers夏篇

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

【連載小説】「鬼さん此方」 第4章(その11)

前回分はこちら

 和水が見ず知らずの人間に関心を示す理由、それは男が鬼だからではないか。
 航太郎は改めて男の様子を盗み見た。咲季や橋本から咎めるような視線を感じる。気にしていないふりをしろ、ということだろう。とは言え、そうやって相手の出方を窺ったところで、こちらにはこれといった考えがあるわけではない。
 それに、同族かもしれないということを念頭に置いて改めて見れば航太郎にも何か引っかかるものがあるのだ。
窓辺に差し込む日差しが強まり、男の横顔が逆光の中で黒い輪郭を描き出した。
 航太郎の脳裏に、故郷で見た夕日がフラッシュバックする。それは何も特別な光景ではない。小さい頃から、野山で遊び疲れた夕暮れに数え切れないほど見てきた光景だった。
「あ……」
 思わず声がこぼれる。途端に咲季と橋本が不審の目を向けた。
「何だよ、間抜けな声出して」
「もう、私の話聞いてなかったでしょ」
 相変わらず声を潜める二人だが、当の航太郎にはその言葉はもはや耳に入っていなかった。ただ、確証を求めるかのように窓際の男を観察し続ける。
 男もそれに気がついたらしい。まっすぐ、と言ってもサングラスのせいで視線の先に何を捕らえているのかは定かではなかったが、航太郎のほうへと顔を向けた。
 相手の表情が完全には読み取れない、航太郎にとってはやや不利なにらめっこがしばらく続いた。
 それでも先に動いたのは男のほうだった。右手のコーヒーカップをソーサーに戻すと、おもむろに立ち上がる。
 予想通りかなりの長身だった。身長一七五センチの航太郎より背が高いのは間違いない。黒ずくめの服装もあって、かなりの威圧感がある。
 その大男が航太郎たちのほうへと足を踏み出した時、咲季と橋本が小さく怯えた声を上げた。桂子は声にこそ出さなかったものの表情が強張っている。一方、和水はこれから何が起こるのかを見極めようと静かに男を見つめていた。
 男はゆっくりと、しかし確かな足取りで歩を進め、航太郎の傍らに立った。気の弱い人間なら泣き出してもおかしくないオーラに、咲季と橋本はすっかり気圧されているが、航太郎は動じなかった。
 少しの間をおいて、男が口を開いた。
「航太郎、だよな」
 その外見からは意外に思えるほど柔らかくて心地のよい低音だった。

次へ

こちらのランキングに参加しています。面白いと思ったら投票お願いします。
NNRランキング

「みなみけのみなきけ」。千秋の人ってポンコツキャラなんですね。でもって夏奈の人が一番しっかり者。利奈さんはいつも通りですか。
Web拍手

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

C

omment


T

rackback

この記事のトラックバックURL

http://woodfield.blog21.fc2.com/tb.php/412-0b60651b


あぷろーず!

拍手ボタンです
ショートショートありマス
ブログ検索
カレンダー(月別)
08 ≪│2017/09│≫ 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク
ブログ・日記中心のリンク集
PR


キャラアニ.com

株取引

最近のコメント
最近のトラックバック