己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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【連載小説】「鬼さん此方」 第4章(その5)

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 やがて、校門前にたどり着いた自転車は、甲高いブレーキ音にタイヤと地面の摩擦音をミックスしながら、百八十度旋回して門柱すれすれで停止した。
「いやあ、ギリギリセーフってとこか」
「悠々アウトよ」
 咲季が額に青筋が浮かんでいそうな声でぴしゃりと言った。時計の針は十時を五分ほど回っている。
「固いこと言うなよ。みんなまだここにいるんだからセーフでいいだろ」
 にへらっと笑いながら橋本が言うと、咲季の表情と声が引きつった。
「橋本君には反省ってものがないのかしら? お望みなら次からは遠慮なく置き去りにするわよ」
「げ、それは勘弁。……遅れて悪かったよ。でもさ、今日遅れたのには理由があってだな」
「聞かせてもらおうかしら?」
 冷ややかな声で咲季が問うと、橋本は頭を掻きながらためらいがちに答えた。
「えと……自転車に乗り遅れた」
「……」
 季節外れの北風が駆け抜ける。桂子は「ああやっちゃった」と言わんばかりに肩を竦めてしまったし、咲季は肩を震わせながら一歩ずつ橋本に近寄っていく。なけなしの野性で危機を察知した小動物は、己の運命に抗おうとじりじり後ずさっていく。緊張感が辺りに満ちた。
「くすっ……ふふふ」
 我慢の限界といった様子で和水が吹き出した。何とか堪えようとしているようだが、それが逆におかしくて堪らないというのを全身で表現している。
 咲季は握りしめた拳もそのままにぽかんと和水を見つめた。橋本も気まずそうにきょろきょろと頭を動かしていた。桂子は何故か楽しそうだ。
 やがて、一同の視線が自分に注がれていることに気づいた和水は真っ赤になってぺこぺこと頭を下げ始めた。
「も、申し訳ございません! 橋本さんのお言葉が面白かったものでつい……」
「はあ……もういいわ。時間もないし、早いとこ映画館に移動しましょ」
 咲季も毒を抜かれてしまったようで、溜息を吐き出しながら言った。
「そうそう。映画が始まっちまうしな」
 橋本がいつもの軽口を叩くと、咲季はぎろりと睨みつけ、普段よりオクターブ近く低い声で言った。
「みんなに飲み物奢り。わかったらその自転車三十秒で置いてきなさい!」
「りょ、了解!」
 橋本は素早く挙手の礼を決めると、再び土煙を上げて駐輪場に走り去っていった。

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