己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」 第3章(その5)

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「え? あ、も、申し訳ございません。やはり急に言われても無理でございますよね」
 どうやら和水は航太郎の言葉を取り違えているようだった。
「いや、弁当なしにするのは全然問題ないんだけど」
 むしろ母は喜びそうだ。ちなみに航太郎には早起きして弁当作るほどの根性も腕もない。
「ただ、ほら。和水さんって料理は、その……」
 できないよね、とは言えなかった。今までは単に経験がなかっただけというのが意見が主流だし、もしかしたらただいま特訓中なのかもしれないではないか。
 しかし、当の和水はきょとんと首を傾げた。やがて航太郎の言葉の意味を理解したのか、みるみる真っ赤になって首を横に振った。
「ち、違います! 左様なことを致しますにはまだ修業が足りませぬゆえ……いえ、そうではなくて」
「なくて?」
 珍しく歯切れの悪い和水の後を促すように尋ねると、和水は大事な話を切り出すかのように口を結び、それから再度開いた。
「ただ、一度食堂に参りたいと思いまして。できれば皆様でご一緒にと思いまして」
 どんな話が出てくるのかと緊張していた航太郎は、和水には悪いけれど拍子抜けした。と同時に、ああ、そういうことか、航太郎は納得した。和水は航太郎が独り教室に取り残されるのを気にしたようだ。相変わらず変なところで律儀な和水だった。

「和水ちゃんって学食初めてなんだぁ。確かに見かけたことなかったわね」
 咲季が感嘆の声を漏らした。
「天神なんて転校初日から学食だったのにな」
 弁当忘れてさ、と付け加えて橋本がニヒヒと笑った。そんなに前のことではないにせよ、どうでもいいことを覚えている男だ。
「まずあの販売機で食券を買うのよ」
 咲季の世話焼き精神に火がついたのか、和水の肩を抱き寄せるように引いて行列から体半分はみ出させ、列の最前列のほうを指さして言った。
 言うまでもなく、今は食堂で昼食を取るべく並んでいる真っ最中である。まだ食堂の中にすら入れていない。
「入り口にガラスケースがあるでしょ。あれが見本。よく見て何を食べるのか先に決めておくのよ」
 そんなことまで言わなくても、と思うようなことまで説明する咲季だったが、和水は緊張の面持ちで頷きながら聞いていた。正直、学食でここま真剣な顔をしている人を見たのは初めてだった。

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