己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」 第2章(その10)

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「そんなことないよ。確かに、今の髪型のほうがいいと思うけどさ」
 航太郎がそう言うと、橋本はひゅっと短く口笛を鳴らして、
「俺は先に戻るわ。二人とも、授業に遅れんなよ」
 そのまま昇降口から校舎へと消えていった。
 後に残された二人は少しの間呆気に取られて立ち尽くしていたが、先に再起動したのは和水のほうだった。
「あの、先ほどのお言葉なのですが……」
 さっきの言葉? 航太郎はその意味するところを突き止めるべく記憶を辿った。と言っても、たった今のことなのでさして時間はかからない。かからないのだが……。
「あ……」
 思わず絶句した。自分の口走ったセリフのこっぱずかしさを、今になってようやく理解した。そりゃ、橋本も気を遣って消えるわけだ。
 加えて、向かい合っている和水が言い淀んだままうっすらと頬を染めていたりするものだから、航太郎の心拍は若き日のカラヤンもびっくりの壮絶なアッチェレランドを奏で始める。
 逃げるか? いや、それは死亡エンドまっしぐらの最悪の選択だ。腕のほどはわからないが、相手が現代に生きる武士であることを忘れてはいけない。
 航太郎は、本能の赴くままに口に出してしまったことを恨めしく思った。普段そんなことをしでかすタイプではないのに、どうしてこんな時に限って。もちろん、嘘をついたわけではないから、後ろめたく感じる必要などはまったくないのだが、正直に本心だと言ってしまうのはますます恥ずかしいではないか。
 かといって、航太郎の言葉を待っているであろう和水を前に、永遠に黙り続けるわけにも行かない。何か言わなくては。
「た……」
 ぴくりと和水の肩がかすかに震えた。その姿は、フィルターのかかった航太郎の目にも普通の女の子にしか見えなかった。
「タオル、ありがとう。遠慮なく使わせてもらうよ」
 今更だった。あまりの間の悪さに言った航太郎本人が穴を掘って隠れてしまいたい気持ちになったほどだ。申し訳程度にタオルで顔を拭うが、体操服も含めて既に秋風が乾かしてしまっていた。

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