己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」 第2章(その5)

前回分はこちら

 難しい顔をしている航太郎を、和水は静かに見つめていた。が、かすかに顔を俯けたかと思うと、すぐに顔を上げていつもの柔らかい微笑みで言った。
「お申し出は大変嬉しいのですが、さほど大層なものではございませんので、皆さんの手を煩わすには及びません」
 一瞬俯いたその表情が寂しげに見えたのは、航太郎の目の錯覚だったのだろうか。
「航太郎君のことだったら気にしなくていいのよ。恥ずかしがってるだけだから」
 和水の表情の変化に気づいたのか、咲季が横合いからフォローを入れた。この際、その言葉が正しいかどうかは関係なかった。事実がどうあれ、自分の態度が和水を傷つけたことに変わりはなかったから。
「ええ、ですが本当にお構いなく」
 少し困ったようなはにかんだ笑みを浮かべ、和水は学生鞄から教科書一式を取り出して机にしまい始めた。
 咲季の目が咎めるように航太郎を見ていた。

 航太郎は行く手を二人の男に塞がれ、立ち止まった。体格ではこちらが勝っているものの、強行突破することはできない。とは言え、じっくり考える時間もない。
 進退窮まったところに背後から高めの声が飛んだ。
「天神、こっち!」
 その声に弾かれるように、航太郎は両手に掴んでいたボールを後ろの床に投げた。
 航太郎の手を離れたボールは、ワンバウンドの後に走り込んだ橋本の手に収まった。間髪入れずに橋本はふわりとループパスを放つ。
 不意に現れた橋本に気を取られて重心を前に傾け過ぎた二人の頭上をゆっくりとボールが越えていく。同時に隙を見て二人の間を駆け抜けた航太郎が高く跳躍する。
 上昇する途中でボールをキャッチした航太郎は、自分の体が最高点に達したところで再びボールを離した。十分に狙いをつけて。
 ボールは鈍い音を立ててリングに当たった後、ゆっくりとゴールネットに吸い込まれた。
 ホイッスルが鳴り渡る中、体育館の反対側でバレーボールの順番待ちをしていた女生徒たちの間から歓声が上がった。
「よーし、交代」
 体育教師の指示を受けて、航太郎たちはコートの外に出る。

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