己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
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【連載小説】「鬼さん此方」 第1章(その15)

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「ううん、今ちょうど済んだところ。咲季ちゃん、もう帰る?」
 見ると、咲季は両手に三冊ほどの本を抱えていた。あいにく背表紙が内側を向いているので本の題名はわからない。
「そうね、収穫もあったし」
 見ると、咲季は両手に三冊ほどの本を抱えていた。あいにく背表紙が内側を向いているので本の題名はわからない。
「あれ、航太郎君は何も借りないの? それとも気に入った本が見つからない?」
「あ、いや、借りるのはまた今度にするよ。取りあえず、どんな所かはわかったから」
「そう? じゃあ帰りましょうか。藤崎さんも一緒にどう?」
 またしても咲季が余計な一言を投げる。悪気がないのはわかるが、少しは空気を読んで欲しい。もっとも、この餌に和水が食いついても二人きりになるわけではないだけマシと考えるべきか。
 しかし、当の和水はそわそわしている航太郎をしばらくじっと見つめた後、遠慮がちに微笑んで言った。
「お誘いはまことにありがたいのですが、まだ少し探し物が残っていますので。申し訳ございませんが、お先にお帰りくださいませ」
「ふうん、それじゃ仕方ないわね。お先に失礼しましょ、航太郎君」
「え、うん……」
「ほらほら、残念なのはわかるけど、邪魔しちゃ悪いでしょ」
 そう言いながら航太郎を促す。
「そ、そういうわけじゃないよ」
「隠さなくていいから。じゃ、藤崎さん、バイバイ」
 簡単に会釈をして、咲季が貸し出しカウンターに向かって歩き出す。
「それじゃ……」
 航太郎も小さく挨拶をして咲季の後を追った。
「あ、航太郎さん」
 後ろからまた呼び止められて立ち止まった。が、何か違和感がある。
 今、「航太郎さん」って呼んだか? 何の前振りもなく名前か?
 振り返った咲季も驚愕と呼んで差し支えないような表情でこちらを見ている。二人の時が凍結する中、地雷原の少女は何事もなかったかのように言葉を続けた。
「今宵(こよい)は十六夜(いざよい)でございます。まだ危のうございますから、くれぐれも夜歩きはなさいませぬよう」
 昨夜に引き続き、またしても警告か。しかし、警告するのなら、「月のない夜道」が定番なのではないか? 和水の口ぶりだと月の明るい夜ほど危険だと言いたげだ。
「では、また明日」
 和水の口から紡がれたその言葉が航太郎を現実に引き戻した。それが社交辞令でも虚言でもないのなら、今夜航太郎を襲うつもりはないということだろうか。
「ま、また明日」
 和水との間に不可侵条約でも交わしたかのように、航太郎は同じ言葉を繰り返して咲季と共に図書館を後にした。

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