己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

Prev  «  [ 2017/06 ]   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  » Next
プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
●Ship4
 スセリ、ユーイ
 ミコト、オトタチバナ
●Ship3
 レーナ

FF14
●Gungnir
 Huey Chandubois
●Garuda
 Hugh Woodfield

うちの子描いて
Twitter
mixi
外国人参政権反対!

連載小説 一覧

カテゴリー
PR

Flowers夏篇

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【連載小説】「鬼さん此方」 第1章(その14)

前回分はこちら

「普段はどんな本を読むの?」
 完全に立ち去るタイミングを逸した航太郎は諦め、当たり障りのない会話でその場をやり過ごすことにした。別に咲季に仲良くしろと言われたからではない、と自分に言い聞かせる。それに、少しくらい知己を得ておけば延命措置にはなるかもしれないではないか。
「古典が多いかと思います。『源氏物語』など、特に好きですわ」
「そ、そう……」
 ベタなくらいにはまり過ぎだ。いくら古典と言っても、「愛読書は『平家物語』です」などと言われたら、脱兎のごとく逃げ出していただろう。
「天神さんはよく本をお読みになるのですか?」
「そこそこ、かな。今まで何もない田舎に住んでたから、野山を駆け回るか本読むくらいしかすることなかったし」
「左様でございますか。のどかで綺麗な所なのでしょうね」
「それはまあ」
 ご近所みんな鬼の家系だけどね、航太郎は心の中だけで付け加えた。
「ああ、ございましたわ」
 そう言いながら和水がハードカバーの本を一冊抜き出し、航太郎に示す
「おかげさまで見つかりました。ありがとうございます」
「いや、大したことじゃないし。それじゃあ、僕は……」
 話の切りもいいしここで撤退、と思ったところに和水がまっすぐに見つめてきて、航太郎は口ごもった。およそ殺気という言葉からほど遠い柔らかい視線だった。とても自分の命を狙っているようには見えなくて、航太郎は少しだけ彼女から逃げる自分の行動に自信がなくなった。
「この後はご予定がございますか? もしよろしければ……」
「航太郎君、何か面白い本……って、あら、藤崎さん?」
 まさにジャストのタイミングで本棚の陰から咲季が顔をのぞかせた。助かった、心の中で胸を撫で下ろす航太郎だった。危うく和水の天使のような笑顔に飲まれるところだった。
「こんにちは、川端さん」
 ほんの少し前まで同じ教室にいたにも関わらず、和水は丁寧に挨拶しながら軽く会釈をする。咲季も苦笑いを浮かべながらこんにちはと返した。
「ごめんね、お取り込み中だったかな?」
 言いながら回れ右しようとする咲季を止めるべく航太郎は慌てて手を振った。

次へ

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

C

omment


T

rackback

この記事のトラックバックURL

http://woodfield.blog21.fc2.com/tb.php/363-38961703


あぷろーず!

拍手ボタンです
ショートショートありマス
ブログ検索
カレンダー(月別)
05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
リンク
ブログ・日記中心のリンク集
PR


キャラアニ.com

株取引

最近のコメント
最近のトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。