己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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【連載小説】「鬼さん此方」 第1章(その13)

前回分はこちら

「それで、藤崎さんは何か探しものをしてるの?」
 どうしてこんなにフレンドリーに話しかけているのだろう? そうは思ったものの、間近で見る少女の笑顔には気のせいかもしれないけれど邪気が感じられなくて、そしてやはり美しかったものだから、航太郎の正常な判断力は栓を抜いた炭酸飲料のソーダのように泡と消えた。
「ええ、ハイネの詩集を探していまして。五十音順で並んでいますから、この辺りだと思うのですが……」
 和水はそう言いながら首を傾げ、右手を頬に当てた。その、いかにも困ってますといった仕草があまりにも似合っていて、航太郎はドキドキしてしまった。
 ダメダメダメ。この人は危険、この人はハンター。
 漫画だったら目がぐるぐる渦巻きになっていそうな混乱した頭を何とか落ち着けようと必死になる。
 しかし、と航太郎は考える。ハイネという選択はこの少女の清楚なイメージにぴたりとはまっている気がした。……少なくとも外見上は。取りあえず、デュマじゃなくてホッとする航太郎だった。探し物が『三銃士』だったらと思うとぞっとする。いや、何となく。
 航太郎は周囲の書架をぐるりと見回し、あることに気がついた。
「藤崎さん、この棚、「英文学」って書いてあるんだけど?」
 和水は小首を傾げてきょとんとした目で問い返した。
「はい、確かにそう書いてございますが?」
「とても言いにくいことなんだけど、ハイネはドイツ文学の棚にあると思うんだ」
 少女の機嫌を損ねないことだけを祈りながら航太郎が指摘すると、
「まあ、左様でございましたか。これは失礼いたしました」
 和水は、航太郎の懸念などどこ吹く風という顔でニコニコ微笑みながらドイツ文学の棚を探し始めた。つまり、ハイネを英文学だと思っていたわけだ。
「あまり読まないの?」
 本自体をあまり読まないのか、それともたまたまハイネの詩集というのが普段読まない種類の本のか判断できなかったので、曖昧な質問を投げかけることにした。
 よく考えれば今のうちにそっと逃げてしまえばよかったのではとも思ったのだが、話の途中で黙って消えるのも悪いと思う、変に律儀な航太郎だった。
「ええ、外国文学を読むのは久し振りでして」
 右手の人差し指で並んだ本をたどりながら和水が答えた。
 そういう答えが返ってくるということは、本そのものは読むらしい。

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