己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
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【連載小説】「鬼さん此方」 第1章(その12)

前回分はこちら

 咲季に案内されてたどり着いた図書館は、校舎とは別の建物だった。小さいながら戦前の洋館といった趣の煉瓦造りの建物で、周囲を圧倒する存在感を見せていた。
「古い学校だからね」
 咲季が苦笑気味にそういうのを聞きながら、航太郎は正面の扉を開ける。
 レトロスペクティブな外観そのままに内部の構造も昔の面影を強く残していた。様々な文様が彫刻された柱が並び、歩くたびに小さな軋みを上げる木張りの廊下を彩っている。その一方で、一階の各部屋に掛けられている札には「視聴覚室」や「コンピュータ教室」などと書かれていて、何となく場違いな印象を受ける。その廊下を突き当たりまで進み、階段を上ると閲覧室の入り口があった。
 ガラスの嵌ったドアを開けて中に入ると、静謐な空間が広がっていた。木枠の窓から柔らかな日差しが差し込む中、生徒たちは思い思いに読書をしたり、自習をしたりしていた。
 航太郎は咲季に礼を言って書架に向かった。咲季は咲季で、せっかく図書館に来たからには何か面白い本がないか探すらしい。航太郎とは別の方向へと行ってしまった。
 左右に広がる本棚を眺めながらめぼしい本がないか物色してみる。高校の図書館にしてはかなり充実した蔵書だ。航太郎が通っていた田舎の高校の狭い図書室とは比べるのもおこがましかった。
 不意に前方に不意に長い黒髪の後ろ姿が見えた。
 直帰じゃなかったのか、航太郎は慌てて回れ右をしてその場から逃げ出そうとした。
「天神さん」
 背中越しに声をかけられ、思わず立ち止まった。冷たい汗が背中を伝う。
「図書館にご用でございましたか。ならばそう仰っていただければ、ご案内差し上げましたのに」
「そ、それもそうだね。ごめん、ふ、藤崎さん」
 声が震える。おそるおそる振り返ると教室で見たのと同じ柔らかい微笑みを讃えた長髪の少女が立っていた。
「あら、もうお名前を覚えてくださいましたのね。光栄ですわ」
「それはもう。と、隣の席だし」
 実際に名前を聞いたのは朝の校門なのだから隣の席は関係ないのだが、受け答えでいっぱいいっぱいの航太郎にはそんなことには思いも及ばなかった。

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