己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
●Ship4
 スセリ、ユーイ
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 レーナ

FF14
●Gungnir
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【連載小説】「鬼さん此方」 第1章(その10)

前回分はこちら

 そんなことよりも、気になるのは桂子のさっきの一言だった。
「中洲さん。さっき、大変だって言ったよね?」
「ええ、言ったわよ」
 何が嬉しいのか、涼やかに微笑むその表情は天使のようだった。
「できれば詳しく聞かせてくれないかな」
「藤崎さんね、あんまり人と関わろうとしないの」
 ゆるゆると答える桂子の後を咲季が引き継ぐ。
「実を言うと藤崎さんって今ひとつクラスに溶け込めてないのよ。物腰は丁寧だし、非協力的ってわけじゃないの。クラスの行事にも参加するし、割り当てられた仕事はちゃんとしてくれるわ。でも、自分から人に話しかけるところなんて見たことないから、ちょっと心配なのよね」
 だから、と咲季はいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「天神君に興味を持ってくれたのはいい傾向だと思うわ。私たちも話しやすくなるし、クラスのためにも藤崎さんと仲良くしてあげて」
 和水の神経を逆撫でしないようにと戦々恐々としている人の気も知らないで無体なことを言ってくれる。何の相談もなしに転勤の話を喜んで引き受けた父親を改めて恨めしく思う航太郎だった。

 午後の授業も万事同じ調子だった。咲季から厄介なことを仰せつかったせいで余計に和水のことを意識してしまい、授業の内容など半分も頭に入ってこない。
 最終授業の終業ベルが鳴り、学級委員の号令も済んで担当教師が教室を後にした時には、机に突っ伏してそのまま小一時間ほど休みたい衝動に駆られた。しかし、今の航太郎にそんなことをしている暇はない。人がいなくならないうちに少しでも早くこの場を離れなければ。いくら咲季から和水と仲良くしろと言われても、そんなことは考えられない。
 慌てて鞄を掴んで立ち上がったところで、右隣から声がかかった。
「天神さん、もしよろしければ途中までご一緒に……」
 航太郎は不意に銃口を突きつけられたかのように背筋を伸ばして硬直した。その時になるまで教室では和水から一度も声をかけてこなかったのだから尚更だった。まして、咲季の話によれば自分からクラスメートに声をかけることはないはずではなかったのか。
「ごごご、ごめん! 今日はちょっと用事があるから」
 苦し紛れの嘘でごまかすと、和水のふわりとした笑顔にかすかに失望の色が混じった。それが航太郎の肝を冷やしていく。

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