己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

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【連載小説】「鬼さん此方」 第1章(その6)

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「な、何? そんなに驚くことじゃないと思うんだけど」
 耳に心地よいきれいな声だった。ほんの少し驚きの色が混じって聞こえるのは気のせいでも何でもなくて航太郎のせいだろう。
「ご、ごめん」
 まさか、命を狙われているからなどと言うわけにもいかず、航太郎はただ一言謝っておくに留めた。
 改めて見るとセミロングの髪を肩に流している快活そうな女の子だった。見るからに害のない女子高生だが、隣にいるもっと害のなさそうな少女にいつ殺されるかわからない現状を考えれば、邪気のない微笑みさえも警戒してしまうのは仕方がない。
「何だかすごく緊張してるみたいだけど、もしかして天神君って人見知りするほう? 大丈夫よ、誰も取って食いやしないから。私は川端咲季(かわばたさき)、見ての通り前の席だからよろしくね。わからないことがあったら何でも聞いて」
 あ、でも勉強のこと以外でお願い、と付け加える涼やかな微笑みにさえ思わず怯えてしまう。取って食われることはなくても斬り殺される可能性はある、と反論したかったが、事情を知らない人間には妄言にしか聞こえまい。航太郎自身、自分が命の危険に怯えて暮らすことになるなどと、昨日の夜までは思いもしなかったのだ。
「よ、よろしく。あ、僕は天神……」
「知ってるわよ。さっき自己紹介してたでしょ」
 川端咲季は黒板に書かれたままの航太郎の名前を指で指し示しながら呆れたように言った。航太郎は恥ずかしさで真っ赤になってしまった。
 その時になってようやく、ホームルームが既に終わって一時限前の短い休み時間に入っていることに気がついた。初日から担任の先生の話など何も聞いていなかったことを申し訳ないと思ったが、自分はまさしく蛇に睨まれた蛙なのだから仕方がないと正当化することにした。
 そう考えながら横目にちらちらと隣をうかがう航太郎の様子に、咲季は何かを察したかのようにニヤニヤ笑いながら航太郎に顔をずいっと近づけ、耳元で囁いた。
「もしかして藤崎さんのこと、気になるの?」
 なる。すごくなる、航太郎は心の中でそう即答した。もっとも、その理由は咲季が想像しているのとはまったく異なるのだが、本当のことを言ったところで頭がおかしいと思われるに違いない。

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ジャンル : 小説・文学

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omment


「鬼も食わない」くらい気になる関係にがくがくぶるぶるですね。

ぬこ URL | 2007/09/28 19:51 [ 編集 ]


ぬこさま

がくがくぶるぶるです。ま、アレなわけですが(以下自粛)

林原悠 URL | 2007/10/01 23:40 [ 編集 ]


T

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