己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

Prev  «  [ 2017/07 ]   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  » Next
プロフィール

林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
趣味:フルート、アニメ、ゲーム
オータムリーフ管弦楽団所属

PSO2(IDネーム:林原悠)
●Ship4
 スセリ、ユーイ
 ミコト、オトタチバナ
●Ship3
 レーナ

FF14
●Gungnir
 Huey Chandubois
●Garuda
 Hugh Woodfield

うちの子描いて
Twitter
mixi
外国人参政権反対!

連載小説 一覧

カテゴリー
PR

Flowers夏篇

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【連載小説】「鬼さん此方」 プロローグ

 月夜に浮かぶその姿は神々しかった。
 石段の上に立つその人影は藤色の羽織に紺袴。ダンダラ模様はついていないし色も違うけれど、見た目の印象は時代劇などでよく見かける新撰組の衣装によく似ている。
 高い位置でくくられた長い漆黒のポニーテールが風になびき、月光を照り返して艶やかに煌いている。もっとも、完全な和装にポニーテールという呼び名が相応しいのかどうかはわからない。白い元結(もとゆい)をやや長めに巻いたその髪型は、その出で立ちと相まって一見すると髷のようにも見えた。
 そして何よりその姿を特徴づけているのが右手に握られた薙刀(なぎなた)だった。月影を受けて輝く白刃は舞台用の小道具などではなさそうだ。
「かような夜更けにお独りで逍遥なさると危のうございますよ」
 儚げに聞こえる柔らかい声が風に乗って少年の元へと届く。声を聞いて初めて、その美しい人物が女性だとわかった。自分と同じ高校生くらいだろうか。
「危ない?」
 天神航太郎(てんじん・こうたろう)は忘れていた瞬きを何度も繰り返しながら、少女の言葉を疑問符つきで鸚鵡返した。
 何が危ないというのだろう。ここは日本国内で、この地方ではそれなりに大きな都市だ。しかも人通りはないものの街灯に照らされた小道。決して薄暗い路地裏というわけではない。加えて今夜は満月。夜にしては明る過ぎるくらいだ。
「とりわけ満月の夜は鬼がざわめきますゆえ」
 歌うような抑揚のついた声が奏でる「鬼」という言葉に、航太郎の背筋がぞわりと粟立つ。
 新しい街に着いて早々、大変な相手に出会ってしまったかもしれない、航太郎はそう直感しながらも、こちらへ向かってゆっくりと石段を下りてくる少女から目を離すことができなかった。
 月明かりを弾く白銀の刃とその主の柔らかい微笑みは、さながら航太郎の魂を刈り取るべく黄泉より遣わされた死神のように恐ろしく、そして美しかった。

   第1章へ

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

C

omment


T

rackback

この記事のトラックバックURL

http://woodfield.blog21.fc2.com/tb.php/340-8103263a


あぷろーず!

拍手ボタンです
ショートショートありマス
ブログ検索
カレンダー(月別)
06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
リンク
ブログ・日記中心のリンク集
PR


キャラアニ.com

株取引

最近のコメント
最近のトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。