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己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
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アニメ「やがて君になる」第9話感想 ※ネタバレあり

アニメ第9話「位置について/号砲は聞こえない」です。
冒頭と最後の荒ぶる七海燈子が目立ってしまいますが、6話に続く大きなターニングポイントとなる回。

アバン。体育祭の準備に大忙しの生徒会。

横断幕を探しに体育倉庫に向かう侑は、途中、体育祭準備を行う生徒たちに声をかけられ、質問にてきぱきと答えていきます。原作にはないアニメオリジナルですが、侑の有能さが窺えます。

その体育祭で横断幕を見つけた後、入り口で七海先輩と鉢合わせ。外に出ようとする侑を七海先輩は倉庫の中に押し戻し、自分も中に入って扉を閉めたところでオープニング。

オープニングが終わるとガチャリと鍵をかける音。男女だったら完全に事案発生です。……いや、同性でも事案な気がしてきたぞ。

倉庫で二人きりというのはまあ、ラブコメやギャルゲーの定番シチュエーションではありますが、「閉じ込められる」ではなく「閉じ籠もる」なのが七海燈子クオリティ。

充電と称して侑に抱きつきキスする七海先輩。つくづく本能で生きる人です。

さすがに侑に窘められ、体育祭が終わるまで我慢するからと「侑からキスをする」というご褒美をねだる七海先輩。この時点の侑はまだ素っ気ないし、キスをすることについてもそこまで抵抗はなさそうな様子です。

そして体育祭当日。

こよみ、朱里、堂島の3人で会話するシーン。表情がくるくる変わるこよみが可愛い。原作では起伏の少なそうな印象だったのでアニメで動いて可愛らしさが大幅に増しました。

場面は変わって侑と槙くんの会話。槙くんに七海先輩の話を振られてチラリと周囲を確認する侑の仕草なんかは細かい作りですね。さすがです。

槙くんの追求に「私は、誰も好きにならないもん」と侑は告げます。ここで1話や2話でも出てきた水中のモチーフが再出します。ただ、以前は光の届かない暗い水底だったのに対して今は光が差し込みキラキラと揺らめいています。侑はその光を仰ぎ見て眩しそうに目をつぶります。

既に変わり始めているものの自分では気づけず戸惑っているというところでしょうか。その後の槙くんのやり取りからもその一端が窺えます。

Bパートではいよいよ部活対抗リレー。

ここで挿入歌として流れるのは「rise」、OP「君にふれて」のCDカップリング曲です。歌詞はなかなかに壮大な内容ですが、曲調は青春感に溢れてこの場面にマッチしていました。

アンカーの七海先輩に声を飛ばして応援する侑ですが、その視界からは次第に七海先輩以外のすべてが消えていきます。原作も見開きを使って同じような描き方をしているのですが、やはりアニメのほうがよりわかりやすい演出になっています。

堂島や周りの声で我に返る侑。リレーが終わったこと、負けたことにしばらく気がついていません。サブタイトルの「号砲は聞こえない」は直接的にはここに掛かるものですが、もう1つの意味が込められていると思います。

つまり、侑が先輩のことを好きになり始めていたと自覚するということです。いつスタートを切ったのか、その「号砲は聞こえない」、このタイミングで恋に落ちたわけではありません。既に恋が始まっていたことを知ってしまうのです。

それは侑の七海先輩に対する接し方の変化を生みます。何しろ侑には呪いがかかっています。先輩のことを好きになってはいけない、という呪いが。

故にここがターニングポイントなのです。ここからの侑は意識的に自分の気持ちを隠すようになっていきます。

例えば8話の侑はまだ自覚していませんでした。だから「嬉しかった」なんて言葉を思わず口にしてしまった。以降の侑はこういう「事故」を恐れるようになります。

最後の体育倉庫の場面もそうです。七海先輩と約束した「侑からキスをする」という好意に対し、危機感を覚えて拒否してしまう。

別に一部で言われているように侑からキスをしたからバッドエンドというわけではありません。先輩は「侑は好きじゃなくてもキスくらいはしてくれる」という認識を持っています。

それでも侑が自分からキスをすることを拒否したのは、自分の気持ちに歯止めが掛からなくなること、そしてそれが先輩に伝わってしまうことを恐れた故です。

 モヤモヤしてる 気持ちがバレたら
 君は逃げてしまうかな

ここに至ってEDのこの歌詞が侑に重なってしまいました。

侑と七海先輩がイチャイチャしている場面が辛くなる。ここからが本当の地獄だ……。

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テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

アニメ「やがて君になる」第8話感想 ※ネタバレあり

少し間が空きましたが、第8話「交点/降り籠める」の感想です。原作の第13話「降り籠める」と第14話「交点」、そしてアバンに第4巻所収の幕間「初恋はいらない」です。

「初恋はいらない」に関しては佐伯沙弥香回の第7話に入れてくると思っていた、というのは既に述べました。カットかと思ったらここに入ってきましたか。

おそらく原作既読者からのヘイト値が2番目に高いであろう中学時代の先輩に佐伯先輩がささやかな復讐と決別を突きつけるエピソード。

原作では第4巻に挟まっていることからあまり意識するタイミングではなかったのですが、七海先輩が「珍しい返し」として佐伯先輩の手を握るところ、動揺する佐伯先輩と対比して七海先輩はこんなことは大したことではないといった感じで、見事なまでの脈なし感です。第7話で侑に名前を呼ばれて悶えていたのとは大違いです。

そして本編ですが、サブタイトルからわかる通りAパートとBパートの順番が原作とほぼ入れ替わっています。

Aパート冒頭。堂島くんに「佐伯先輩と仲悪いの?」と聞かれて「そんなことないよ」と答える侑の顔と声が可愛かったです。

で、そう言われたことを気にしたのか、侑は帰り際に佐伯先輩をファストフード店に誘います。実際のところ、この2人ってなかなか相性は悪くないと思うんですよね。どちらも七海先輩と話している時より自然な感じすらします。

ところで、侑が佐伯先輩に自分のポテトを勧める場面は原作にはなく、それでいて佐伯先輩がポテトを摘まんでいることから「後輩のポテトを勝手に食べる先輩」という構図が一部の読者から指摘されていたそうです(私は全然気にしてなかった)が、原作者によると単にその前のやり取りが省略されていただけのようです。




このアニメは間の取り方が絶妙で、セリフ回しはまったく同じでも原作を読んでいた時には見えなかった心の動きみたいなのが見えてくるんですよね。素晴らしい。

例えば、侑が「先輩としてそこそこ好き……ですけど」と言った後、佐伯先輩が「そうね」と相槌を打つまでの間。原作ではおそらく尺の都合で次のコマにすぐ入っているのでノータイムで返しているようにも見えますが、アニメでは若干の間が空くため、侑の言葉の真偽を推し量ろうとしているような印象を受けます。

そしてBパート。原作でも実は初めてだった雨の場面です。アニメでは雨の描写にかなり気合いが入っているような感じでした。

槙くんと堂島くんの出番は原作にはなくアニメの追加です。何だかんだで仲良さそうな2人。

傘を忘れた侑は朱里に入れてもらって帰るはずだったのですが、昇降口に行ったところで、おそらく原作既読者のヘイト値が最も高いであろうO垣先輩を見かけます。先輩がやはり傘を持っていない様子だったことから侑は朱里を送り出します。

ちなみにちゃんと名前があり、アニメでも名前が言及されているO垣先輩ですが、エンディングのクレジットでは「バスケ部の先輩」となっています。アニメスタッフからのヘイト値も高いのでしょうか? なぜそこまでヘイトを稼いでいるのかは……アニメでやるかなあ。そこまで行くかなあ。

話を戻して、傘の当てがなくなった侑はひとまず姉の怜ちゃんに電話。しかし怜ちゃんはヒロくんとデート中でした。迎えに行くというヒロくんですが、侑は申し出を辞退します。幕間「その頃のお姉ちゃん」の怜ちゃんとヒロくんの会話の一部がここに挟まります。この構成、匠の技ですわ。

でまあ、なんだかんだと七海先輩がやってきて一緒に帰ることに。ここからはイチャイチャ相合い傘タイム。

個人的には侑の可愛さが爆発してました。先輩との身長差を思い知らされて「うぐぐ……」と唸る侑、先輩に代わって傘を持とうとして「返しなさい」と言われて「いやーだー」とゴネる侑、声がついたことで可愛さが500パーセント増しくらいになってますね。

雨宿りの場面、先輩の髪をタオルで拭く侑のちょっと背伸びしてるところとか、この立場逆感がキュンキュンしますよね。タオルと言えば、話の順序を入れ替えたことで体育祭の練習のために侑がタオルを用意していたという説明になっていました(原作では特に説明なし)。

でまあ、ただイチャイチャ可愛いだけで終わらないのが「やが君」の厄介なところで、侑が「(先輩が来てくれて)嬉しかった」とぽつり呟いたのを怪訝に見返す先輩。

 その嬉しいって、どういう意味?

これは先輩のセリフでも独白でもなくて、侑が先輩の表情から読み取った「想像」なのですが、アニメではちょっとその辺がわかりづらかったかもしれません。先輩が実際にそう言っているようにも聞こえてしまった感があります。

この時の先輩の目、原作を読んでいた時も怖くて肝を冷やしました。アニメではその後の先輩の動きも不穏で緊張感増し増し。

「嬉しかった」から場が凍る恋愛漫画ってどうなのさ……。

雨宿りの最後、七海先輩がうたた寝をしていますが、原作では目を閉じてるのは侑のほうなんですね。七海先輩はそれを優しげに見つめてる。で、この話が入っている原作3巻の表紙では同じような状況で七海先輩が侑の肩にもたれかかって眠っています。どちらかというとやはり七海先輩がもたれかかってるほうが甘えてる感があって「らしい」ですね。

そしてラストでは「交点」に戻ってきます。リレーの練習で侑と佐伯先輩のバトンパスが成功する場面。

「ほんと燈子って……厄介よね」
「同感です」

2人の短いやり取りですが、雨宿りのやり取りなどがあった後なので侑の返しに実感が籠もっていました。

第9話は体育祭、再び七海燈子の本能が溢れ出す回です。

テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

【演奏会感想】ムジカ・レアーレ 第1日

オランダを代表するオーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーによる室内楽団「ムジカ・レアーレ」の演奏会を聴きに行ってきました。聴いたのは2日連続での公演の1日目。

ムジカ・レアーレはイタリア語ですが、「ムジカ」はもちろん「music」、そして「レアーレ」は英語の「royal」と「real」の両方の意味を持っています。スペイン語の「レアル」に当たる単語ですね。

プログラムは以下の通り。

モーツァルト:オーボエ四重奏曲ヘ長調K.370
レントゲン:弦楽三重奏曲第14番ハ短調
シュルホフ:ディヴェルティメントWV.87
ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調op.115

会場は浜離宮朝日ホール。2階席1列目のど真ん中。これ以上ない席でした。

最初のモーツァルトは若干ロマンティックすぎる印象。テンポが全体的に少し遅めなのと伸び縮みが多い感じでした。あとはオーボエのフレーズの変わり目に溜めが頻繁に入ったのもそういう印象を強める要素だったでしょうか。例えば音階で上昇して上がりきったところでピアノで伸ばし、みたいな場面で一瞬間が空くんですね。とはいってもあくまでモーツァルトにしては、というものです。音は素晴らしく良かったです。

その後の2曲、レントゲンとシュルホフについては初めて聴いたのであまり語れませんが、どちらも面白い曲でした。

ユリウス・レントゲンは19世紀後半から20世紀前半にかけて活動した作曲家。ドイツ生まれですが、アムステルダムに移住し、後にオランダ国籍を取得したとのこと。多作家であったらしく、弦楽三重奏曲は16曲書いています。

ヴァイオリンとヴィオラとチェロ、つまり弦楽四重奏からヴァイオリンを1人減らした編成ですが、そうとは思えない厚みのある音楽でした。

エルヴィン・シュルホフはチェコ出身のユダヤ人音楽家。ナチスによって「退廃音楽」とされ、強制収容所で命を落としました。ディヴェルティメントはオーボエ、クラリネット、ファゴットという木管楽器の三重奏曲。やや諧謔的にも聞こえる軽快な曲やゆったりした歌謡風の曲、ジャズの要素を取り入れた曲など、7つの小曲から構成されていました。先入観かもしれませんが、ユダヤ……というかヘブライ風、言ってみればエルネスト・ブロッホのような雰囲気を持った音楽だったように思います。

休憩を挟んで後半はブラームス。これが楽しみでした。ライブで聴くのは大学時代に学祭でオケの先輩が吹いたのを聴いて以来だったと思います。

これがもう最高でした。主役のクラリネットの哀愁を帯びた音色は曲にベストマッチ、弦楽器とのバランスも絶妙。素晴らしすぎて逆に語る言葉が出てこない。もう溜息しか出ないです。

フルートにもこういう曲があったらいいのになと、聴く度に思います。

アンコールはシューマンの「夕べの歌」、ブゾーニによるクラリネット五重奏編曲版でした。これも堪能しました。

テーマ : コンサート
ジャンル : 音楽

アニメ「やがて君になる」第7話感想 ※ネタバレあり

原作の連載を読むためにマガジンWALKERに加入した話は既にしましたが、コミックス第6巻の続きを読んで更に悪化していく事態に無事精神が死亡しました。林原です。

そもそも6巻終わりの七海先輩、いや七海燈子のやらかしはちょっと酷いものがあって、喩えるなら同点で迎えた後半ロスタイムにゴールキーパーがバックパスの処理をミスってオウンゴールになるくらいのポカなわけです。今まであれだけ尽くしてきた侑に対してその仕打ちはあんまりなんじゃないの……?


さて、気を取り直してアニメ第7話です。原作では第3巻に突入。第11話「秘密のたくさん」と第12話「種火」がメイン。ここに第2巻収録の幕間「夜明け前のこと」も追加されています。佐伯先輩メインの回ということで第4巻の幕間「初恋はいらない」辺りも入れてくるのではと予想していましたが、さすがにそこは展開に無理がありましたかね。

話の並びが原作から結構入れ替わっています。まずアバンが原作12話の途中、佐伯先輩の中学時代の回想。最初にこれを持ってくることで今回は佐伯沙弥香回だということを明示する意図かもしれません。原作だと佐伯先輩フィーチャーは12話だけですからね。

Aパート冒頭は原作12話の最初の2ページ、そこからノータイムで原作11話に移ります。本筋とはまったく関係ない感想ですが、涙目の朱里が可愛かったですね。あと、




原作の担当編集者さんが仰っていたこれ、耳をすませて聴いてみたら確かに可愛いかったです。話がこうなってきた今、朱里は癒やし。

次の場面では「夜明け前のこと」が入ります。原作ではサブタイトルからも窺えるように七海先輩が侑と出会う前、おそらくは第1話で佐伯先輩が言っていた「この人前に女の子にも告白されたのよ」の出来事でしょう。女の子に告白されるのは初めてだからどう断ればいいのかわからない、と佐伯先輩に相談する話でした。

そのエピソードをアニメではこの時系列に持ってきたことで、2人の会話の意味合いに違いが生じる形に。

例えば佐伯先輩の「苦手、女の子?」という問いかけ。原作では「女の子だから(断るのか)?」と尋ねるのですが、この時点での七海先輩は「女の子でもいいのかって言われるとよくわからないけど」「そうじゃない(女の子だから断るわけではない)」と回答。アニメでは既に侑という存在がいる段階なので「ただ断りにくいだけ」と。

そして佐伯先輩が若干空回って見える格好に。『まして恋人なんて』とか『燈子は誰のものにもならない』とかのモノローグの持つ意味が原作とは大きく変わって聞こえます。

場面は移って帰り道。侑とこよみの仲の良さに嫉妬心が起こったのか、人前でも侑を名前で呼びたいと言い出す七海先輩。侑は「いいんじゃないか」と素っ気ない返事。そこで七海先輩は「侑も私のこと名前で呼ぶのはどう?」と踏み込みます。ここで声がうわずる七海先輩は相変わらず可愛いですね、中身はアレですが。

侑に「燈子先輩」と呼ばれて顔を覆って悶絶する様も声がつくと破壊力がすごい。そして煽るように「燈子先輩」を連呼する侑。言い方を変化させていくところは高田さんグッジョブでした。

そして店長さんと理子先生のくだりは原作でもめっちゃ驚いたところでした。

Bパート。生徒会室での作業中に七海先輩が「侑」と呼んだことに唖然とする佐伯先輩。「じゃあ私も、小糸さんのこと名前で呼ぼうかな」と言ってみるも「はい、どうぞ」。残念、その揺さぶりは侑には効かない。佐伯先輩は気付いていませんが、代わりに七海先輩が動揺してます。この人、こんなんでよく今まで完璧を装ってこられたな……。

ここからは本格的に佐伯先輩回になるわけですが、

「今の関係が壊れるくらいなら、このままでいい」
「そばにいるために本当の気持ちを隠すのは卑怯でしょうか?」
「私がただ、そばにいられなくなるのが怖いだけでも?」

「だとしても本当の気持ちを飲み込むのは大変なことだよ」

という一連のセリフは侑にも当てはまるものになっていて、本当に七海先輩は……。

EDの最中の佐伯先輩の、

「飲み込んだ言葉は育ち続けて、いつか胸を破るかもしれない」

原作では12話冒頭にあるこのモノローグもまた侑に当てはまるものであって、実際……。

という感じで、原作を読んでいた時にはあまり意識しなかった侑と佐伯先輩のシンクロ性が見えた回でした。

テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

アニメ「やがて君になる」第6話感想 ※ネタバレあり

アニメ第6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」です。原作の第10話と第十話に当たります。第十話「言葉で閉じ込めて」は原作でも数ページしかないので、実質的にはアニメ第1話以来となる原作1話分のアニメ化という感じでしょう。この先の展開の上で特に重要なこの話にそれだけの尺を取ったことに拍手を送りたいものです。……まあ、その分、アニメでどこまで進めるのか不安になりますけど。

さて、今回は原作ほぼ1話分ということもあって尺に余裕があるのか、アニメのオリジナル要素が多めになっています。

その前に、Aパートのハイライトはやはり侑と佐伯先輩のやり取り、というか佐伯沙弥香無双。

「……なんて、私が無邪気に信じてるとでも思った?」の場面は原作でも衝撃的な場面でしたが、突然画面が横向きになる演出と茅野さんの見事なお芝居で展開を知っていてもゾクリとさせられました。

そして極め付けが「あなたが心配しなくても大丈夫よ。私がついてるもの」の、冷たく突き放すようにも牽制するようにも聞こえる言い回し。

七海燈子のことを理解していて、その上で侑とは違ったスタンスで支えようとしていることが明らかとなった瞬間でした。

一方の侑は佐伯先輩に言われた通り7年前の生徒会長のことを調べ始めます。この部分はまるまるアニメのオリジナル。原作では担任の先生にすぐ聞きに行ってわずか数コマで片付いてしまいます。

アニメでは資料を探すも誰か(おそらく七海先輩)に抜き取られていて見つからず、怜ちゃんまで巻き込んでなんとか突き止めるという展開。ここに尺を取ることで侑が七海先輩絡みことに大きなエネルギーを注いでいることが描かれ、Bパートのあの場面の重みが増したように思います。ついでに資料を(おそらく)隠した七海先輩のめんどくささも。

ちなみに、この流れの中でサラッと明らかになる怜ちゃんの年齢。原作でもまだ出てないんじゃなかったかなあ。

もう1つのアニメオリジナル要素が侑とこよみのやり取り。前回出てきた小説の感想を述べると共に劇の脚本についての話をする場面です。原作では何の描写もなくいつの間にか脚本を頼んでいた感じになってましたからね。

7年前の生徒会長・七海澪のことを知り、同時に七海先輩がやろうとしていることも知った侑。おそらく生徒会室に向かう道すがらの、廊下の突き当たりと左右に伸びる分かれ道。ここの描写、運命の分岐点みたいでいい演出です。

Bパート。侑と七海先輩、2人で下校し運命のあの場面に至るわけですが、原作ではいきなり川に着いています。アニメではそこまでの道中も描かれ、話を切り出すまでの侑の躊躇いと緊張が窺えました。

そしていよいよあの場面がやってきます。端的に言うと最高の映像化でした。

原作を知って先の展開を知っていてもハラハラさせられっぱなしで。侑と七海先輩、高田憂希さんと寿美菜子さんの言葉での殴り合い。物理的にも離れていく距離、そして再び近づく距離。よくぞここまで描き切ってくれたと感涙にむせぶばかりです。

先輩が離れていくことに対する絞り出すような「いやだ」、そして「先輩を好きになりたい」と思いつつも先輩と一緒にいるために「好きにならない」と宣言する侑。言葉を紡ぎながら必死に心を飲み込む苦しげな表情に胸が痛みます。それでも先輩が振り向けば柔らかい笑顔を見せる。その笑顔のなんと悲しいことか。

「本当はどうして欲しいのか言ってください」と言われた先輩、原作より要求が増えてますね。
「甘えさせて」とか七海燈子、お前……。

そしてアニメでは原作で実際に口に出されることがなかった願いを言いかけます。

「私を……」

Cパートで明らかになるその願いは「私を好きにならないで」

言葉にされなかったこの願いは、しかしはっきり伝わっていて、これからの侑を縛る呪いとなっていくのです。


ということで、アニメ第6話でした。原作では第2巻が終了となります。この後が「やがて君になる」の本編と言ってもいい感じなのですが、完全に鬱展開になるかというとそういうことでもなく、引き続き七海先輩は本能のままに侑とイチャイチャします。たぶん第7話でも可愛い先輩の姿が見られると思います。でもそれが侑の「諦め」の上に成り立っていることを考えると七海燈子、お前……。

テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

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