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己の意志の弱さと戦いながら細々と小説書いてます、たぶん。

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林原悠

Author:林原悠
林原悠の煩悩世界」管理人

ネットの片隅の小説書き
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二月公『声優ラジオのウラオモテ #08』

まずはアニメ化決定おめでとうございます!

ぜひとも原作3巻まではやって欲しいところです。3巻ラストの「ファントム」アフレコシーンは情景が鮮明に浮かぶ神がかった描写故、それをアニメで描ききれるかというクオリティ面の不安はありますが、それはそれ。

さて、最新8巻ですが、ラストのライブシーンはその3巻に並ぶ熱さでした。

本シリーズは基本的に由美子視点で描かれる場面が多いのですが、8巻に関しては千佳視点での進行が多くなっていました。にもかかわらずラストの布石となる千佳の「嘘」については言明されず、由美子が抱える不安の答えを読者も(何らかの意図があるのだろうとは薄々感じつつも)先んじて知らされることなく進みます。

叙述トリックというほど明瞭に仕組まれているわけではありませんが、千佳の心情を一部知っているだけに尚更やきもきさせられることとなりました。

由美子と千佳の関係性も少し変わってきている感じがありますね。由美子の真価を引き出すために嘘をつく、あの千佳がそんな搦め手を取れたのも由美子に対する信頼あってのものです。

今までだと、声優としてはお互いに最大限のリスペクトとライバル意識をバチバチにぶつけ合ってこそいましたが、好意らしきものを露わにすることはなかったと記憶していますが、今巻はセリフでも地の文でもそれらしい記述が増えました。

 好きって気持ちをお手軽にぶつけないでほしい……。
(中略)
「あなた、本当にわたしのこと好きよね」
「そりゃねー……」


 お風呂で気が緩んでいる場面とは言え、こんな発言がするっと出るわけです。……いや、ナチュラルに一緒にお風呂入ってる時点でだいぶ距離感バグってますからね!?

他にも、

 こちらの頬まで緩みそうになったが、堪えた。胸が温かくなるのも見ないふり。(美味しそうにご飯を食べる千佳を見る由美子視点)


 由美子のギャル姿は落ち着きを覚えるが、これはこれでかわいいと思う。(パジャマ姿の由美子を見る千佳視点)


など、プライベート面でのストレートな好意が今までになく滲み出ていました。普段のギャルファッションの由美子に対しては何かと憎まれ口を叩く千佳ですが、その実、落ち着きを覚えるほどに馴染んでいたんですね。

私は本シリーズを百合作品と認識していますが、一方でいわゆるガールズラブではないと思ってるんですよね。友情を超えた一対一の強い感情のぶつかり合いではあるけれど、恋愛ではない、と。ただ、今後少し方向性が変わりそうな空気も漂い始めてるなあと感じました。……気のせいかもしれませんが。

今回のラストには次巻への掴みになる引きがありませんでしたが、次はどんな騒動が巻き起こるのか楽しみに待ちたいと思います。

ちなみに今回の「お姉ちゃん」カウンターは5回でした。変化球として「千佳ちゃん」が1回。

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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

モンスター娘のいる三角関係/『恋は双子で割り切れない』感想

『恋は双子で割り切れない』最新4巻まで読了しました。

ひとまずの感想としては……那織があまりにサイコパスで怖い、これに尽きます。恋愛ものだと思って読み始めたんだけど、実はサイコホラーでしたか?

一応、誤用があってはいけないと思ってサイコパスの定義や特徴をググったんですよ。でも、やっぱりそのまんまなんですよね。作者はこれを念頭にキャラ造型したんじゃないかって思うくらい。

中でも、最大の特徴は「良心の欠如」であり、他人の痛みに対する共感が全く無く、自己中心的な行動をして相手を苦しめても快楽は感じるが、罪悪感は微塵も感じない。「人の心や人権、尊厳を平気で踏みにじる行動をしながら、そのことに心が動かない」という特徴があり、良心の呵責なく他者を傷つけることができる。
(ウィキペディア/精神病質

以上はウィキペディアの記述ですが、那織がまさにこの通りの人間で、言動でもモノローグでも他者の気持ちや意志を尊重する素振りすら見られないんですね。なんなら他者を人間として扱っていないとすら映ります。自分を楽しませるか不愉快にするか、それ以外の評価基準がない。恋愛対象である純のこともたぶん戦利品くらいにしか見えてません。

何しろ、純がやめてくれと言っていることを嬉々として続け、そこに良心の呵責は一切見られないどころか、自分にはその権利があると言わんばかりに正当化してしまう、万事がその調子です。

純がそれをなあなあで済ませてしまい、場合によっては楽しいとすら感じてしまうドMなんですよね。純だけでなく琉実も那織の振る舞いを肯定的に見過ぎている節があります。

例えば4巻、那織が純にキスを迫り、それを拒否した純が軽く振り払うような形になりました。それであからさまに不機嫌になる那織ですが、純は「自分が悪い」と言い、事情を聴いた琉実は「那織を責められない」との感想を持ちます。

盛大な溜息が漏れましたよ、2人とも正気かと。どう見たって100パー那織が悪いでしょ。甘やかすにも程があります。他の登場人物も妙に那織に甘いんですよね。別段外面がいいわけでもないんだけどなあ。

子供の頃から周囲の甘やかしが積み重なった結果、こんなモンスターが生まれてしまったんでしょうね。そういう意味ではサイコパスよりソシオパスの方が適切かもしれません。

1巻のラストだけはちょっとだけ格好いいと思ったんですが、じゃあその後は正々堂々と琉実と競うのかと思えば、そんなことはありませんでしたよね。結局は琉実に情けをかけられた形なのが気に入らないというだけで、そのことで琉実が苦しんでいるとかは一切考慮していません。あそこが那織のピークだったな。

いやほんと、恋愛ものの曲がりなりにもヒロインで、ここまで一直線に魅力度が下落を続けるキャラって、ちょっと私の記憶にはありません。悔い改めることなく役割を全うして破滅していく悪役の方がずっと魅力的に映ります。

ヒロインの片割れである琉実も、まあ、めんどくさかったり拗らせてたりするんですが、那織があまりにも邪悪なもんだから相対的に正統ヒロインに見えますよ。

こっちはこっちで他者の感情に配慮しすぎて罪悪感で潰れるタイプですね。自分を卑怯な悪者だと思い込んでいる普通の子です。最新巻まで来て、やっと少しはわがままが言えるようになったようですが、まだまだ自分の中だけに飲み込みすぎています。

その辺、バランスが悪いんですよね。邪悪の権化のような那織とマッチアップするには琉実は普通すぎる。

実際、4巻終了時点ではかなり不穏な方向に流れてますしね。もっとも、このタイミングでこの展開ならまだ一波乱も二波乱もありそうな気配はあります。このままサイコホラーまっしぐらなのか、恋愛ものとして道を取り戻すのか。


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ジャンル : 小説・文学

「ガールズ&パンツァー」エクストリーム爆音上映

もう1週間経ってしまいましたが、明けましておめでとうございます。
昨年はちょっとバタバタしていろいろなことがおざなりになってしまった感があるので、今年はもう少しアクティブに行きたい林原です。


さて、2019年最初の週末はガルパン漬けの2日間。Zepp ダイバーシティ東京で開催された「『ガールズ&パンツァー』エクストリーム爆音上映」に両日行ってきました。

それぞれ昼(朝?)と夜の2回公演だったのですが、私はどちらも夜公演。
だって朝はキツい……と思っていたのですが、1日目に関しては夜もなかなか大変でした。

1日目(1/5)はTVシリーズ全話とOVAのアンツィオ戦の一挙上映。
長いですよね。
夜公演は17時から。
まあ、一応、尺とか計算してだいたい何時くらいに終わるかなっていう皮算用はしてたんですよ。

しかし、声優さんたちの舞台挨拶があるのはわかっていた私ですが、主題歌アーティストさんたちのミニライブは若干想定外。……いや、出演者に名前が出てる時点で想定しとけよって話ですし、サイトによってはちゃんと事前に明記されてるところもあったりしたわけですが。

いや、ライブ自体は楽しかったし、いいんです。生で聴くの初めてだったし。

そんなわけで1話が始まった時点で30分くらい経ってたかな。皮算用が狂って若干不安です。
まあ、上映が始まってしまえばそんなこと気にならんのですけどね。

今回のイベントはいわゆる応援上映ってヤツで、控え室に聞こえるくらい存分に叫んでくれって声優さんたちも仰っていたので、敵戦車を撃破すると拍手が起こったり、戦車が行軍するシーンのBGMに合わせて手拍子を入れたりと大盛り上がりでした。

決めゼリフとかも一緒に叫んだりしてました。
お馴染みの「パンツァーフォー!」はもちろん、
「ヒヤッホォォォウ! 最高だぜぇぇぇぇ!!」
「それだっ!」
「ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!」
などなど。めっちゃ楽しかったです。

翌日の劇場版の時もそうですが、文科省の役人が出てくる場面ではブーイングが起こったりも。

プラウダ戦の時にはロシア語の例の歌を一緒に歌ってる人たちもいましたね。私はロシア語わからんので空耳レベルで適当に口ずさんでるだけでしたが。

そして、さすが「エクストリーム爆音」を冠するだけあって迫力がすごい。砲撃音はもちろん、重戦車やらマウスやらの走行音でも振動がずんずん伝わってきました。

……まあ、私の席が1日目は前から5列目の右端付近、2日目は同じく5列目の左端付近と、どちらも結構な近距離にスピーカーがあったので、それによるところも大きいかもしれませんが。

両日とも音響監督の岩浪さんが現場でライブ音響調整をしていたとのことです。2日間、朝から夜まで大変お疲れ様でした。

で、そんな楽しい時間を過ごして終演は23時30分頃。
既に終電がありませんでした。

仕方ないので行ける所まで電車で行って、そこから3駅分ほどタクシー使いました。
いつもなら1時間くらいかけてのんびり歩いて帰るという選択肢もあるのですが、さすがに翌日も上映会なので体力は温存したい。


ということで2日目(1/6)は劇場版と最終章第1話。
個人的にはこっちが本番という感じで、実は最終章第1話だけ未視聴で初見だったのですよ。

開演時間が前日より30分早い16時30分だったのは翌日が月曜日だからの配慮でしょうか。
上映時間も前日に比べると短いので、その分ライブが長めでした。全部で7曲だったかな。

ちなみに全体の8割くらいが私のような両日参加だったようで、まあ、そうなりますよね。

前日のTVシリーズから劇場版までは視聴済みで結末もわかっているはずなのにやっぱり決戦の場面ではハラハラするし、「ガルパン」は何度観ても面白いなあと再確認しました。

劇場版のプラウダのあの壮絶なシーンはやっぱりグッと来ましたしね。

あとあれです。中盤で学園艦を降ろされた後、出航していく学園艦に向かって1年生たちが泣きながら走って行くところ。あそこが結構辛くてですね。中には一緒に「さよならー!」って叫んでいる人もいましたし、私もそうできればよかったのですが、ちょっと無理でした。

そう、改めて一気観して1年生チームが結構なお気に入りになっててですね。
最初は戦車捨てて逃げ出してた子たちがすっかり頼もしく成長しちゃって。

1年生のツインテ眼鏡の大野あや、前から割と好きではあったんですよ。
公式のプロフィール眺めてたら好きな戦車に「オチキスH35」挙げてて、趣味が合うなあと思ったのがきっかけです。
フランス戦車、可愛いよね。

あと単純に、ああいう底抜けに明るいタイプって好きですしね。サンダースのケイさんとか。


で、初見の最終章第1話ですが……フランス戦車、可愛いよね。
ルノーFTの愛くるしさよ。リアルであれ以上に可愛い戦車が存在するでしょうか(反語)

そのFTをフラッグ車とするBC自由学園ですが、あのアンツィオに負けたマジノ女学院の分校らしく、ああ、やっぱりフランス系は弱いのなって思ったものですが、意外に強敵っぽいですね。

大洗の裏をかいた作戦が失敗したと見るや即座に退却を命じて立て直しを図る辺り、隊長のマリーさん、頭緩そうに見えてなかなかの切れ者のようです。

次の第2話で決着がつくようで、予定では半年くらい先になりそうですが楽しみですね。

上映終了後はみんなで「Enter Enter MISSION!」を歌ってお開き。
とにかく楽しい2日間でした。こういうイベントがあったらまた行きたいです。

尚、20時30分くらいには終わったのでフードコートでご飯を食べて夜のユニコーンを見る余裕もありました。

ユニコーン


テーマ : ガールズ&パンツァー
ジャンル : アニメ・コミック

アニメ「やがて君になる」第13話感想 ※ネタバレあり

アニメ第13話「終着駅まで/灯台」の感想です。原作の第23話と第24話、それに幕間「これまでとこれからと」に当たります。

七海家の墓参り。姉のできなかったことをちゃんとやると墓前に誓う七海先輩。
「そうしたら……」と言ったところで画面に映るのは小川を流れる蝉の羽。何とも不穏で挑戦的な幕開けです。

いつもの喫茶店で脚本の改訂について打ち合わせる侑とこよみ。そこでこよみから侑に「劇のタイトルを考えて欲しい」とのお願い。これはアニメで追加された下りなのですが、なるほどそう来たか、と。実際、原作でも劇のタイトルは侑が考えたものなのですが、そこに至る流れが明示される形になりましたね。

侑とこよみが喫茶店を出て行った後、夕暮れ時になって七海先輩と佐伯先輩が来店。原作ではほとんど入れ違いのようにも見えたのでアニメで時間経過がわかりやすくなったのはいいですね。

この辺りは本編と幕間をいい具合に溶かし込んでる感じがしました。

喫茶店の前で別れる2人。佐伯先輩は去って行く七海先輩の後ろ姿に向かって手を伸ばすことしかできない。ほんの少し踏み込むのが精一杯なのですね。

駅に向かう七海先輩。生徒会劇を成功させる、最後まで姉を演じきる、そう気持ちを奮い起こしますが、一方で劇が終わったらどうすればいいのか、ようやくそこに思い至ったようです。

この時、駅のホームで電車が通過するのに合わせて七海先輩が一歩歩み出すというアニメオリジナルの演出。電車が通過したのは反対側のホームの線路なわけで、通過後には七海先輩は変わらずホームにいるわけですが、一瞬ゾクリとさせられました。

そこに侑から遊びの誘い。七海先輩は予想もしていなかったようで、びっくり。
ちなみに、七海先輩の後ろの壁には「AQUA WORLD」の広告。これ、伏線……です?

Aパートラストは再び喫茶店。閉店後の都さんと帰ってきた理子先生のやり取りです。
「私べつに女に興味ないんだけど」という理子先生の発言に魂が抜け出る都さん。原作でもレアな都さんの表情でしたが、アニメはそれ以上にコミカルになっていました。

そしてBパートは水族館。はい、「AQUA WORLD」です。コメントで「駄女神ワールド」とか言うのはやめろ。

侑から誘ってきたことを意外そうに語る七海先輩に対して侑は「暇だし遊びに行きたかったんだけどみんな忙しそうで」と、特別なことではないことをアピール。が、いつもならそこに安心するはずの七海先輩は珍しく複雑そうな表情に。落ち込んでいる時に遊びに誘われて嬉しかったものだから、ついでのような言い方が気に入らなかったのでしょうか。めんどくさい人です、もう。

メンダコを知らない七海先輩に割とガチな口調で「信じられない」と叫ぶ侑。そこは許せないポイントだったらしいです。

イルカショー。「だいぶ埋まっちゃってるね、席」と言う割には空席が多いように見えるのですが、原作と同じくらいの埋まり方でした。が、原作にはこのセリフ自体がないんですね。アニメでわざわざ入れたのはどうしてなんでしょうね?

前方の席は水飛沫で全身ずぶ濡れになるよ、というアナウンスに対してうずうずする2人。侑はともかく、七海先輩もこういうところ結構子供っぽいですよね。

「好き」と言うことで安心する七海先輩。侑を好きな気持ちは姉の模倣ではない、七海先輩自身の気持ちだから。自分を否定して姉のようになろうとしながらも一片の自分らしさを見つけて安心する、そんな矛盾すら侑は受け入れます。だと言うのに、そんな侑に対してどうして後々あんな仕打ちができるんですかね、この人は。

コホン。気を取り直して。

ペンギン大行進のイベント時間に早く着きすぎて誰もいない中、その場で劇の練習をやることに。アニメオリジナルですね。

「私は、ここに来てからのあなたしか知らない。でも、あなたの癖を知っている。あなたの好きな小説も、あなたの好きな花の色も。知らないんです、あなたしか」

最終回ということで、改変後の劇の展開の一部をこういう形でチラ見せしてきました。もしかしたら続きはアニメにならないかもしれない。もしそうなっても少しでも視聴者に伝えたい、そういう制作サイドの気持ちの表れでしょう。それでいて、もし続きが作れる場合に破綻のないように。上手い匙加減だったと思います。

今までは侑の心理を表すのに使われてきた水のモチーフが七海先輩の視点で描かれます。これが何を意味しているのか。七海先輩の迷い、自分は誰を演じていけばいいのか、という葛藤を表現したものと考えるのが手っ取り早いのかもしれないけれど、今まで水のモチーフは「好き」とか「特別」という気持ちがわからない侑の心情の表現だったんですよね。そうすると、七海先輩もそれがわからなくなってきているのかなあとも。

もしかしたら、侑の素っ気ない態度に今までのように安心できなくなっているのかもしれません。だから七海先輩から離れていく侑に置いていかれるような錯覚があって手を伸ばしてしまった。そして振り返った侑に笑顔を向けられて我に返ったのかもしれません。

……まあ、この辺は原作を最新話まで読んでいる立場としての希望的観測が多々ですが。

ここで挿入歌「好き、以外の言葉で」が入ります。エンディング「hectopascal」のカップリング曲ですね。

侑を見失って辺りを見回す七海先輩の手を握る侑。第1話の構図そのまま立場が逆転した感じになっています。戸惑う燈子とはっきりした意志を持って手を取る侑。

 このまま、
 終わらなければいいのに……

 出口……ですね

ここが文字だけで表現されていたの、もうなんか胸がいっぱいになります。視聴者としてはこのアニメが終わってしまうという自分たちの感情も重なってくるわけで、名残惜しさが溢れます。

帰りの電車。眠る七海先輩の隣で侑はスマートフォンに劇のタイトル候補を打ち込んでいます。
『君しか知らない』と。

侑にもたれかかる七海先輩。重なる影。
「先輩、そろそろ乗り換えですよ」

もちろん言葉通り電車を乗り換えるという意味なのでしょうけれど、他の意味も見えてきますね。

先輩の今までの生き方、自分を殺して姉のようになろうとする生き方から先輩自身の生き方に「乗り換え」る時だよ、というメッセージ。

原作既読者としては、最高のアニメ化でした。
だからこそ続きも観たい。
少しでも二期の望みが出るならとBlu-rayは全巻予約しました。
それでも足りなければ、Twitterでも呟きましたがクラウドファンディングとか。
その場合、家賃2か月分くらいなら出す所存です。

テーマ : アニメ・感想
ジャンル : アニメ・コミック

アニメ「やがて君になる」第12話感想 ※ネタバレあり

アニメ第12話「気が付けば息もできない」の感想です。原作の第22話に第23話の一部が入ります。

アバン。合宿3日目の朝、侑が目覚めると既に隣の布団は空で、外に出るとそこには七海先輩。ちゃんと寝たかと問いかける侑に七海先輩は「元気だよ」と返答。

この時に侑が見せる不満げな顔は、やはり昨晩の様子のおかしさが気になってのものでしょう。何かあったに違いないと思いながらも2人きりの場ですら話してくれない。花火の時は他にも人がいたから仕方ない。とは言え、佐伯先輩には何か話していたようで、ヤキモチですかね。

Aパート。生徒会室で劇の練習。市ヶ谷さんの言葉を引きずる七海先輩は劇の主人公と自分を重ねてしまったのか、その場の全員が呆気にとられるほどに演技が過熱していきます。

コンビニに買い出しに出た際に侑は「七海先輩はどうしたのか」と佐伯先輩に尋ねますが、佐伯先輩は「自分が見ているから大丈夫」と。

はぐらかされた時の侑のぐぬぬ顔はレアで大変可愛かったのですが、それよりも佐伯先輩です。昨夜ちょっと踏み込んで七海先輩の不安を話してもらえたからと、すっかり浮かれてますね。侑が何も聞いていないらしいことを知ってリードを取ったような気になっているのでしょうか。ここの佐伯先輩は、申し訳ないけれど少し滑稽に見えました。

体育館での舞台稽古はアニメオリジナル。原作既読組としては脚本が改訂されることを既に知っているわけで、ここで練習している初期稿バージョンのラスト(?)は実は原作には出てこない部分なんですね。スマホのパスワードが恋人の誕生日だったりと、これはこれで辻褄の合った展開になっていたのがわかります。さすがこよみ。

合宿も無事に終わり、侑は七海先輩に一緒に帰ろうと声をかけます。

踏切での回想シーンはこれまたアニメオリジナル。表情には出していませんが、侑の心情の変化がはっきりと表されていました。その流れから侑は七海先輩を部屋に誘います。一度は遠慮を見せた七海先輩でしたが、侑の勢いに押し切られ、「すごく甘えちゃうと思うんだけど」と。

Bパートに入って侑の部屋。侑が戻ってくるのを1人待っている七海先輩は扇風機をつけ、そこでふと以前お土産に渡したプラネタリウムに手を伸ばします。この辺りの描写はまるっとアニメオリジナルで、原作ではそういや侑の部屋に扇風機ありませんでしたね。エアコンないってのはどこかで言及されていた気がしますが。

戻ってきた侑をベッドに座らせ、流れるように膝枕に持ち込む七海先輩。甘える宣言しただけあって最初から本能全開です。

でまあ、キスの場面ですが、侑も目を閉じて自分から近寄っていってますね。以前、例えば第4話の時とはまったく異なる動き。こういうのは漫画ではなかなか描写しづらいと思うので、アニメ化様々です。

2人でベッドに横になる場面。原作もそうでしたが、七海先輩が侑の胸に顔を埋め、侑がそれをあやすような格好になっているのが実に「尊い」光景ですね。これが「年下の姉」ってやつですか(違うかなあ)

七海先輩はここで市ヶ谷さんとの会話で得た困惑を語ります。佐伯先輩には踏み込まれて初めて答えたけれど、侑には自発的に話す。また、佐伯先輩と話していた時は「姉」だったのに、侑と話す時は「お姉ちゃん」という言葉を使う。距離の取り方に決定的な違いがあるんですよね。

再びキスシーン。ここで七海先輩が侑の手を押さえ込んだ時、侑の手がが一瞬握り返そうとして止まるんですね。この描写、もう熱くて、悲しくて、泣きそうです。

「侑は私のこと好きにならないでね?」と言う七海先輩に何かを言い返そうとするも声にならない侑。ここも苦しさと切なさがひしひしと伝わってきます。

先輩を駅まで見送る場面。原作では「先輩だってわたしの○○もののこと嫌いって言わないでよ」というモノローグ、伏せ字になっている部分は「バカ」という侑の台詞で隠される格好になってるんですね。これをアニメでどう表現するのか気になっていましたが、モノローグに「バカ」という台詞を被せる直球の演出でした。

この後、侑はこよみに電話をかけ、劇の結末を変えようと提案。原作では日を改めてこよみと具体的な話をするのですが、アニメではその日のうちに家を飛び出してこよみの家まで走る展開に。

夜の街を走る少女という場面を作りたかっただけかもなあ、なんて邪推もつい湧いてしまいますが、侑の抑えきれない気持ちが溢れていて、いい改変だったと思います。

侑の指摘を受けてこよみが怖い顔で「ありがとう」と言う場面。原作もなかなかでしたが、アニメもいい具合に怖い顔になっていました。

そしてアニメで追加された、脚本から顔を覗かせながら「どうして今日になってそんなこと思ったの」と問いかけるこよみはめっちゃ可愛かったですね。

侑は「あの人を変えたい」とはっきり行動に出ます。ここが佐伯先輩とのスタンスの違いで、佐伯先輩はちょっと踏み込んでは見たものの、結局は七海先輩のやろうとしていることに干渉するのではなく見守る姿勢なんですよね。だから七海先輩が不安を話してくれただけで満足して舞い上がってしまう。

でも侑はそこに納得がいかなければ自ら行動を起こす。それが「傲慢」や「わがまま」かもしれないと思っていても納得できないままで放置することはできないわけです。

というところでアニメは次が最終回です。

テーマ : アニメ・感想
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